和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

やまとことば・和語・日本語に関する情報をデータ化・日本語の問題点解説。語彙力・難読漢字クイズなどによる教養アオリの否定など。

初々しい(ういういしい)。1780年時点で「はつはつしい」が使われていた!!【日本語・関連語AH音を知ろう】

f:id:peaceheart:20201121202603j:plain

 この記事では、「言葉の音と意味は関係アリ」というのを、[ 初々ういうい しい※ ] に 含まれる[  ]を例に説明します。

戸田和幸さんが初々はつはつ しい ]と読んだのがトレンドになってましたね。誤読という扱いをされていますが、精選版 日本国語大辞典には「はつはつしい【初初】」という言葉が収録されています。そして、1780年の「洒落本・多佳余字辞」で使われていて、「古くから存在するコトバ」でした。ハツハツシイの意味=初めてで新しい・新春早々・はやばやと。

▼「うい(初い・初ひ)」と関係ある言葉

ひ-AuHi-AH

うぶひ-AuBuHi-ABH

うぶ-AuBu-AB(AH)

・ウブ-AuBu-AB(AH)

[特殊な表記]を用いています。※ワゴン式和語表記

 

察しの良い方は「意味と音が関係あること 」に気づいたと思います。 

い ]の原型(歴史的仮名遣い)は [  ]です。

 

 

  

 

▼「(合う)合ふ」と 関わるAH音

f:id:peaceheart:20201114051145p:plain

[会ふ-AaHu-AH] は [人同士が居合わせる状況

 

人に限らず「モノ同士」など幅広い対象にすると、 [合ふ-AaHu-AH] を用いて [触れ合う] などと表します。

※「ぶつかり合う」なども[触れ合う]と形質は同じです

 

f:id:peaceheart:20201122200856j:plain

では、「モノ同士 が 触れ合う」と 関係する言葉を並べてみます。

・浴びる-AaBiRu-ABR(AHR)

・帯びる-AoBiRu-ABR(AHR)

・和へる-AaHeRu-AHR

        ↑

どうでしょう?

[触れ合うとの関連性]が見えましたか?

 

f:id:peaceheart:20201115054541p:plain

説明すると こんな感じです。

・浴びる=水と触れ合う

・帯びる=何かが体にくっつき合わさる

・和へる=料理で混じり合わさる

 

同じ「AH音(AB音)同士」で 「合わさる」という 共通の意味を持っています。

 

 

 

▼「(初い)初ひ」と 関わるAH音

f:id:peaceheart:20201122192924j:plain

生まれたばかり・はじめて間もない」を 表す [初ひ-AuHi-AH] という言葉もAH音の大和言葉です。

  

[生まれ]に関する言葉でいうと [うぶ-AuBu-AB(AH)]という言葉は、「初々しい・生まれたときのままであるさま」という意味を持ち、AH音が訛って濁音化した言葉(AB音)と考えられます。

 

 

AH音・AM音 も 関係する!?

 日本語には、【変わりやすい音の組み合わせ(音変化しやすい組み合わせ)】があります。

・[ま行=M]

・[は行=H]

・[ば行=M]

 

これらは

H→B

H→M

M→H

などの音変化が起きやすい。

※和語の里では[IKO]の関係と定義しています。

 

つまり、「AH音(AB音)・AM音」は 関係してたり、もとは同じ音だった言葉もあるということです。

 

AH音・AM音 意味を比べてみる 

f:id:peaceheart:20201122194412j:plain 

・AM音:生む-AuMu-AM

・AH音:初ひ-AuHi-AH

・AB音:うぶ-AuBu-AB

 

AM[生む]=生む(子が生まれる)、生まれた子は初々しい

AH[初ひ]=初めての生まれて初めてのこと

AB[うぶ]=初々しい生まれたときのままであるさま

 

このように日本語は「音で分けられている言葉のグループ」が あります。意味も共通点があるので、面白いですよね♪

 

 

▼おわりに

当たり前に使っている日本語 ですが

「割とシステマチック!」

って感心した人もいるのでは?

 

 

▼辞書データなど

 

精選版 日本国語大辞典には「はつはつしい【初初】」
〘形口〙 はつはつし 〘形シク〙 (「はつばつしい」とも) 初めてで新しい。多く「はつはつしく」の形で、新春早々、はやばやとの意に用いる。
※洒落本・多佳余字辞(1780)「初買そうそうに、はつはつしく、壱年中の口が落らアゑ」

(学研全訳古語辞典 参考)うひ- 【初】
接頭語
〔名詞に付いて〕初めての。▽生まれて初めてのことであるの意を表す。「うひかうぶり」「うひ学び」
参考「うひ」と「はつ」の違い 「うひ」が人間に関することを言うのに対して、「はつ」は自然現象や動植物に関して、その年・季節の最初である意を表す。

 

出典:デジタル大辞泉小学館
うぶ・い【▽初い/初=心い】 の解説
[形]《「うぶ(初心)」の形容詞化》生まれたままのように、世間ずれしていない。ういういしい。
「『ごく―・いの』と力を込めて云って」〈白鳥・泥人形〉

 

 

【記事編集用Link】
https://blog.hatena.ne.jp/peaceheart/onbin.hateblo.jp/edit?entry=26006613655725897

【KEYWORD ZONE】tng0auhiauhisi、tng0uhiuhisi、tng0uiuisi
ういういしい、ウイウイシイ、uiuisii、uiuishii、初々しい、初初しい、初い初いしい
ういういし、ウイウイシ、uiuisi、uiuishi、初々し、初初し、初い初いし
うひうひしい、ウヒウヒシイ、uhiuhisii、uhiuhishii、初々しい、初初しい、初ひ初ひしい
ういういし、ウイウイシ、uiuisi、uiuishi、初々し、初初し、初ひ初ひし
はつはつしい、ハツハツシイ、hatuhatusii、発発四位、初初しい、初発しい、初々しい、
はつはつし、ハツハツシ、hatuhatusi、発発市、初初し、初発し、初々し
はつばつしい、ハツバツシイ、hatubatusii、初抜歯位、初罰しい