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辞書についてPart4【湯加減がいい加減】誤用と解説文

 辞書についてPart4【湯加減がいい加減】

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😀こんにちは!

 

😜「なんとなく」使っているように見えて、実は😱「かなり複雑」な言葉「いい加減」を紹介します。



・😡いい加減にしろ!

・😩お前はいい加減だなあ。

・😁風呂の温度がいい加減になったよ!

        ↑

これらの「いい加減」の使い方はすべて異なります。

 

日本人なら「使い分けを無意識に理解」できていることでしょう。しかし、それは「いい加減」という言葉を「日常的に使い、理解しているから成せる[ワザ]」です。

 

外国人からしたら…

😱「オーマイガッ! なんて意味不明なコトバだ!」

と感じる言葉であるハズです。

 

▼意味の定義が…”いい加減”❓

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 【いい加減】意味の定義が”いい加減

(出典 デジタル大辞泉@小学館:https://daijisen.jp/digital/)

いい‐かげん【▽好い加減】
A (アクセント=イ”ーカゲン”)[形動][文][ナリ]
1 仕事を最後までやり遂げずに途中で投げ出すさま。投げやり。おざなり。無責任。
「好い加減なやり方」「好い加減な人」
→出鱈目(でたらめ)[用法]
2 相当な程度に達しているので、ほどほどのところで終わってほしいさま。
「好い加減に雨もやんでほしい」「冗談は好い加減でやめてくれ」


B (アクセント=イ”ーカゲン”)[副]かなり。相当。
「好い加減いやになった」「好い加減飽きがきた」

C (アクセント=”イ”ーカゲン)[連語]程よい程度。手ごろ。適当。
「好い加減の湯」「小物をしまうのに好い加減の大きさの箱」

改めて辞書の意味を見ると多くの意味合いがありますね。

 

情報が少なすぎると、どの意味かわからない恐れ

【状況】

・2人(A子・B子)がいてコーヒーを飲みたい

A子がコーヒーを作り、B子は待っている

 

・A子がインスタントコーヒーを2人分作る。

インスタントコーヒー=粉タイプの水に溶けるもの

 

・ホットコーヒーではなく冷たいアイスコーヒーを作る

砂糖とコーヒーの粉が冷たいからよく溶けるようによく混ぜる

 

 

A子がコーヒー粉と砂糖を水と牛乳に入れて混ぜ始める。

次にB子は「いい加減に混ぜるのは やめて」と言った。

 

 

この場合の[いい加減]はどういう意味だろうか?

 

・A子が慎重すぎる性格=実際に1分以上混ぜ続けてしまっててやめる気配がないので、やりすぎなレベルで混ぜるのはやめてほしいというお願い。

 

・A子の性格は慎重さが足りなく、粉や砂糖が溶け切らないでコーヒーを渡してくることが毎回のことだから、[中途半端に混ぜる]というのをやめてほしいというお願い。

 

・A子の性格がガサツで普段から2人も認知しているガサツさ。コーヒーを飛び散らかす勢いで混ぜるかもしれないから、大雑把に混ぜるのはやめてほしいというお願い。

※この用法はなぜか辞書にはないが、大いに浸透している

 

 

A子がコーヒー粉と砂糖を水と牛乳に入れて混ぜ始める。

次にB子は「いい加減に混ぜるのやめて」と言った。

・A子が慎重すぎる性格=下手したら1分以上は混ぜ続けるので、良い感じに混ざるくらいの加減で十分というのを伝える意味。

※[に]が入るだけでイメージが変わる

 

 

[いい加減]は文字だけで判断はむづかしい

実際の会話ではアクセントが入る、さらに二人の性格・関係性の分かりみで意味合いを読み取れる。

 

 

▼説明に〝いい加減〟が使われているコトバ

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[なげやり(投げ遣り) ]の説明欄に[いいかげん(いい加減) ]が使われています。

(出典 デジタル大辞泉@小学館:https://daijisen.jp/digital/)

なげ‐やり【投げ▽遣り】

[名・形動]物事をいいかげんに行うこと。成り行きまかせにすること。

また、そのさま。「投げ遣りな態度」「商売を投げ遣りにする」
[補説]この意味で「投げ槍」と書くのは誤り。 

 

 

🤔Q:「なげやり」の説明で使われている「いいかげん」とは?

😜A:[中途半端・無責任・雑に]の意味です。

しかし、これは

[私自身(読み手)が”なげやり”という言葉を理解]

しているから意味合いをわかるのであり、

”なげやり”という言葉の知識がまったくない人は

別な解釈で読み取ってしまう恐れがあります。

 

 

例えばこの部分:物事をいいかげんに行うこと。

ここの解釈を

[物事をほどよい程度に行うこと。]

と解釈してもおかしくないのです。

※”なげやり”という言葉の知識がまったくない人の話です。

 

 

 

湯加減がいい加減だな

・夫が風呂に入るためのお湯を沸かしていた妻

・妻は次の日の出勤が早いので寝る時間が早い

・お湯を予め温めといた(妻は19時に寝る)

 

21時(午後9時)に夫は風呂に入る

お湯に浸かり一言

「湯加減がいい加減だな〜。」

 

これも、状況によって意味合いが変わります。

 

<無責任・おざなり>

・妻が早めに寝るから早めに風呂を沸かした結果がぬるかった

・妻が早めに寝るし冬だからと念には念を入れて熱くしまくった、数時間後にはちょうどよくなるだろうと妻は思ってたが、実際には熱いままだった。

 

<程よい>

・妻が早めに寝るから早めに風呂を沸かすとき、何時間かあとに入るのを計算して温度設定したのが成功して、ちょうどいい・程よい 熱さになっていた。

 

 

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言葉の解釈の難しさが伝わりましたでしょうか?

そして、辞書の読み方も注意が必要ということです。

 

 

▼説明に使わないほうがいいリスト

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私は辞書に非常に助けられているので、文句のつもりで言うのではなく辞書がより素晴らしいものになるため[辞書編纂者]に言っておきたいことがあります。

 

説明でこれらの言葉はできるだけ使わないほうがいいですよ。という言葉たちです。

 

【アイマイな言葉たち】

・いいかげん(いい加減)

・てきとう(適当)

・きさま(貴様)

・おまえ(お前)

・古語と現代で意味が大きく変わる言葉

・他 意味が多様な言葉

 

 [日本語は難しすぎる言語] と 言えます。記事に書いたとおり…「辞書の説明〟すら 難しい…」ということがあります。

 それらも含めて、「日本語を分かりやすい言語にしていきたい思い」で「和語の里」は運営しています。

 

 

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