🦊 こんにちは 🦊
前回アップしたときに先入観からか、「大手の辞書に"ネット投げ銭"は辞書に載ってないだろう♪」と決めつけてしまい、[デジタル大辞泉]に収録されていたことに気づきませんでした。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
ネット‐なげせん【ネット投(げ)銭】 の解説
ウェブ上の無料コンテンツを閲覧した利用者が、その制作者や配信者に対して金銭などを寄付できるサービス・機能の総称。また、その寄付。寄付する金額は利用者が決め、少額から行えるものが多い。ウェブ投げ銭。ソーシャル投げ銭。ソーシャルチッピング。
このような、現代の流行の言葉を収録してくれるとは、小学館さんは今をときめくイケてる企業か!
▼「投げ銭」は昔からあった!?
「投げ銭」という言葉が、[インターネットのライブ配信]において 使われるというのは近年できた使われ方です。
では 元々あった「投げ銭」の意味を見てみましょう。
出典:精選版 日本国語大辞典
【投げ銭】〘名〙
① 銭を投げること。
② 銭を与えること。〔李紳‐聞里謡効古歌詩〕
③ ⇒なげぜに(投銭)
〘名〙
① 銭打ちに用いる銭。
② 大道芸人などに、見物人が投げ与える銭。なげせん。
〘名〙 =なげぜに(投銭)②
※江戸から東京へ(1922)〈矢田挿雲〉八「大道芸人がウザウザと陣取って一厘、一厘五毛、二厘の投(ナ)げ銭(セン)に露命を繋いで居た」
余談ですが、原義である「① 銭を投げること。」みたいな意味が収録されているとホッとします。
▼語源・流れを推測
① 銭を投げること。
これが文字通り[投げ銭]です。今に続く「ネット投げ銭」の「大本の語源」ですね。
② 銭を与えること。
①の[銭を投げる]というのは、「投げられた相手が拾えば所有権が移ります」。つまり、お金を与えたことになります。①が派生して②ができたと考えるのが自然でしょう。
② 大道芸人などに、見物人が投げ与える銭。
これは [銭を投げる・お金を与える]の意味を限定化しています。
「動作主・受け手を限定可」して[専門用語的にしたもの]です。
余談:今の時代では[野外で大道芸]は許可が必要なので、見る機会は減りました。
▼「なげぜに」でも間違いではない
③ ⇒なげぜに(投銭)
[なげせん]だけでなく、[なげぜに]読みも あったのですね!
※そもそも[ぜに]と[せん]は同じものだった?*1
▼現代の「投げ銭」@ライブ配信
今の時代に「投げ銭」という言葉を使うとしたら、[インターネットのライブ配信]において 使う人が多いことでしょう。
② 銭を与えること。
語源も何も、「銭(お金)を与える」が そのまま[アナログからデジタルに変わった]と考えればいいだけです。
▼「投げ銭」用語まとめ
【サービス内での呼び名】
・スパチャ(Youtube)
・ギフト(17 Live)
・ギフト(SHOWROOM)
・ギフト(LINELIVE)
・VIPギフト(LINELIVE)
・お茶(TwitCasting Live)
・お茶爆(Twit Casting Live)
・ドネーション(Twich)
など
【一般名詞として】
・ギフティング
・投げ銭
など
<補足:スパチャ>
"Super Chat(スーパーチャット)"の略
直訳すると「すごいチャット・超チャット」なんですが、Youtubeの運営的にどういう意味合いでつけてるかは、私は情報を見つけられませんでした。
噂レベルの情報でいうと
「お金を送ることのできるほどの"すごいチャット"」
だそうです。つまり、妻は[Super Girl Friend]?
<補足:TwitCasting Live>
あまり知られてないかも・・・
実は「ツイキャス」です。
発音としてはGoogle翻訳上では「トゥイキャスティン」みたいな発音でした。
日本人風発音だと「ツイキャスティング」なので、それを「ツイキャス」と略して使ってるみたいですね。
▼「投げ銭」関連用語まとめ
【配信者】
・Live配信(ライブ配信)
・Youtuber
・Vtuber(Vertual youtuber)
・Liver
・ライブ配信者
【その他】
・チャージ
・課金
・破産
・推し(オシ・押し)
▼おわりに
いかがでしたか、[投げ銭] は「急激に浸透した文化」なので、改めて「どういった言葉で使われてた。」とか「どういう言葉から生まれた。」とか、あまり調べた人は少なかったのではないでしょうか?
投げ銭は、[問題提起]されていることもあり、それに関して「ネットニュース」になったりします。※別記事で語りたいと思います。
よりよい"投げ銭 Life"を〜
【Keyword】
投げ銭 なげせん ナゲセン nagesenn nagesen
すぱちゃ スパチャ supatya su-pa-tyatto super chat superchat
ばーちゃるゆーちゅーばー、Virtual YouTuber、バーチャルYouTuber バーチャルユーチューバー
*1:
「銭」という漢字の読み方を見てみると
【銭】
音読み:セン [外]ゼン
訓読み:ぜに[中] [外]すき
↑
このように、
訓読みに[ぜに]・音読みに[ぜん]が含まれているため、
・なげせん=銭を音読み
・なげぜに=銭を訓読み
に見えますが
[ぜに]という読み自体、「銭」の音読み「せん」から生まれた読みです。つまり、[ぜに]は本質的には音読みであり、漢語的言葉であるということです。
ぜに 【銭】
(学研全訳古語辞典 参考)
名詞
銅・鉄などの金属で作られた貨幣。多く円形で、中央に穴がある。江戸時代には、高額の「かね」に対して小額の一文銭をさす。
参考「銭」の字音(=漢字音)「せん」の「ん」を、「に」で表記したことで生じた語。同様の語に、「えに(縁)」「しをに(紫苑)」などがある。