和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

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ドタバタ劇。なぜか辞書にない日本語のコトバ。「どたばた喜劇」はあるのに…【Umeahase 辞書の埋め合わせ】

片山さんはイベントに参加する数日前、来ていく服がないことに気付いた。
そして、イベントに合う服を探しに何件もの店を回る"ドタバタ劇"を演じた。

 このように「ドタバタ劇」は使われます。
・せわしなく動き回る
・あわてふためく(忙しい)
・うまくいかずグダグダ
・複数人で騒ぎ立てる

 などの際に使われます。

▼「ドタバタ劇」の使用例

【あわてふためく(忙しい)】

出典:ロイター > 片山氏、ドレスでドタバタ劇
https://jp.reuters.com/article/idJP2018100201002745

>>事前に用意した2着が、いずれも皇居の「ドレスコード」に引っ掛かったためで、初日からドタバタ劇を演じた。

【うまくいかずグダグダ】

出典:THE ANSWER > 何をやっても上手くいかない 50秒間のドタバタ劇に米笑撃「最高だ」「恥ずかしい」
※url:https://the-ans.jp/news/149827/

プラムリーはビスマック・ビヨンドと競り合う中でボールを落とし、もつれあうように転倒。ボールがルーズになった。ピストンズのセクー・ドゥムブヤがボールを拾ったが手につかない。再び複数の選手がボールにダイブ。今度はホーネッツボールとなった。

 ダンクに行こうとするもこれはピストンズディフェンスがブロック。一転してピストンズがカウンターを仕掛け、3ポイントを放つもリングに弾かれてしまう。ボールを奪い返したホーネッツが速攻もこれもピストンズディフェンスの前に阻まれてしまった。

【複数人で騒ぎ立てる】


https://twitter.com/Geease_FF14/status/1193546787195195395 *1

 このような使用例を日本人ならば、一度は聞いたり使ったりしたことがあるのではないでしょうか。
※幼い子は聞いたことがないかもしれない。

▼「ドタバタ劇」が辞書に収録されていない

 なんとこの「ドタバタ劇」…
 辞書に収録されていません!!
※「どたばた劇」などの表記ブレも同様。

▼略称前「どたばた喜劇」

 「ドタバタ劇」の略称前の形と考えられるものに「どたばた喜劇」があります。
 こちらは、しっかりと辞書に収録されています。

精選版 日本国語大辞典「どたばたきげき【どたばた喜劇】」
〘名〙 騒がしく走り回ったり、滑稽なしぐさをするなど、登場人物の動きを主にしたギャグで人を笑わせる喜劇。荒唐無稽な設定で人を笑わせる劇。スラプスティック‐コメディ。どたばた。〔古川ロッパ日記‐昭和一三年(1938)一月五日〕

 「ドタバタ劇」が収録されていないのは使用頻度のせいかもしれないので、使用件数を調べてみましょう。

▼「ドタバタ劇」の使用件数は?

 辞書に収録されていないということは「ドタバタ劇」は、あまり使われないのでは?
 なんてことを思った人のために「Yahoo!リアルタイム検索30日分」を検索しました。
※20221213

"ドタバタ劇"+"どたばた劇"
=1628件

 30日で1628件なら、1日50件以上です。十分な数ですね。
※「Yahoo!リアルタイム検索」は、検索漏れもあるので、実際はもっと多い件数です。

"ドタバタ喜劇"+"どたばた喜劇"
=89件

 辞書に収録されているほうが89件に対し、収録されていないほうが1628件もありました。
 10倍以上の差です。

 ちなみにGoogle検索のページ数でも同じく、「どたばた喜劇<どたばた劇」という結果になります※20221213。
"ドタバタ劇"+"どたばた劇" =約 3,334,900 件
"ドタバタ喜劇"+"どたばた喜劇"=約 292,900 件

▼辞書と日本語ネイティブとの隔たり

 メジャーなほうが辞書に収録されていないことによって、愚かな日本語警察が騒ぎ立てる場合もあります。

 たとえば、下のようなことが起こることも…

😁「いやあ、昨日の飲み会後にサイフなくしたヤツがいて、店に確認したり道に落ちてる探したりで、ドタバタ劇だったよ!」
 😠「え? ドタバタ劇? それを言うなら"ドタバタ喜劇"だろ!」

😁「何いってんの、普通に使われているコトバだよ。」
 😠「"ドタバタ劇"は辞書に載っていない、載っているのは"ドタバタ喜劇"だ! だから、"ドタバタ劇"は間違いだ!」

 愚かな日本語警察の中には、似たコトバで辞書に載っていないほうを間違い扱いする人もいます。
※20221213時点の見出しとしてつくられているかどうかで判断。デジタル大辞泉小学館)・精選版 日本国語大辞典で検索。

 しかし、コトバの正誤は辞書に載っているかいないで判断するのもではありません。
 それなら、「遊び倒す」というのが辞書に載っていないから、間違いということになります。
 コトバは さまざまなコトバを組み合わせて、新たな表現を生みます。
 その表現1つ1つを辞書に収録しきれませんので、「辞書にないコトバ=間違い」という考えが間違いなのです。
 使用頻度の低い形「どたばた喜劇」は収録されているのに、使用頻度の高い形「どたばた劇」は辞書に収録されていないというのが、その証拠にもなります。

▼実例、元農林水産副大臣も使っていた


https://twitter.com/isozaki_yousuke/status/1575629936731525121 *2

▼「ドタバタ」とは?

 「ドタバタ劇」に含まれる「ドタバタ」とは?

デジタル大辞泉小学館
・精選版 日本国語大辞典
 で調べてみると、下のように分けられます。

・あばれ騒いだりして、荒々しくたてる音
・あばれ騒いだりして、荒々しくたてるさま
・とっ組み合いをしたりなどの音
・とっ組み合いをしたりなどのさま
・騒がしく走り回ったりする音
・騒がしく走り回ったりするさま
・あわてふためくさま
・物がつづけざまにぶつかるぶつかる音

▼おわりに

 世の中の日本語系の記事は、日本語警察が好む記事にするほうが好まれます。
 日本語警察は、正誤をハッキリさせたがります。そのせいで、間違いでないものも間違い扱いする記事を多く見ます。
 和語の里は そういった安直な考えの日本語警察を批判していきます。


【KEYWORD ZONE】
tng0dotabatageki どたばた、とたはた、と田畑、ドタバタ、dotabata、ドタバタ、どたばた
どたばたげき、とたはたけき、と田畑ケキ、と他畑期、ドタバタゲキ、dotabatageki、ドタバタ激、ドタバタ劇、どたばた劇
どたばたきげき、とたはたきけき、と田畑聞けき、と田畑聞けき、ドタバタキゲキ、dotabatakigeki、ドタバタ喜劇、どたばた喜劇

*1:ぽぷり@アルテマ(GAIA) on Twitter: "レベルレ駆け抜け(⁎˃ᴗ˂⁎) 身内のレベルレはわいわい騒ぎながらのドタバタ劇が楽しいですね⸜(๑⃙⃘'ᵕ'๑⃙⃘)⸝⋆* #GPOSERS #ffxivsnaps #FF14 https://t.co/GyKZAgE74r" / Twitter

*2:礒崎陽輔@isozaki_yousuke #ちむどんどん 最終回までドタバタ劇で終わりました。ニーニーには、最後まで慣れませんでした。みんなを白髪だけで老けさせるのは、ちょっと無理がありました。主題歌は、秀逸でした。終わったかという以上の感動はありません。 午前8:33 · 2022年9月30日 ※Tweetが見れない場合は、下の魚拓Linkから。 https://megalodon.jp/2022-1213-1245-43/https://twitter.com:443/isozaki_yousuke/status/1575629936731525121