「面白いほど記憶に残る迷わない漢字」
という titleの本を見つけました。出版:話題の達人倶楽部
【読んでみての評価まとめ】
・余計なアオリを意識しなければ漢字の学びとしては役立つ
・ただ記憶するだけじゃないのは好印象
・途中からアオリがひどくなる
・これは「日本語解説本」ではなく「ビジネス書系日本語解説本※」
・ターゲットが日本語の使い方に恐怖するビジネスマン層
・他ターゲットが日本語で「インテリぶり」したい層
この記事には「ビジネス書系日本語解説本」「インテリぶり」などの言葉が登場します。文字面を見れば、だいたいの意味は想像つくと思いますが、詳しく気になるという人は、ページ下部の独自用語を見てください。ここをクリックで移動できます。
▼本「迷わない漢字」の 良い部分から
この記事タイトルだけ見ると、「迷わない漢字」への否定的な記事になってしまいそうですが、良い部分は しっかりと 書きたいと思います。
▽本「迷わない漢字」の基本構成
1:意味説明
2:漢字1つ1つの訓読み説明
3:訓読みをもとに漢字ごとの意味説明
4:説明した意味を組み合わせて熟語・慣用句の意味や成り立ち説明
この構成自体は、わかりやすい構成です。
特に、はじめに意味を説明することで、「読者の認識・世間の認識はこうだが、こういうのもある。」のような説明に持っていくのはいい流れだと思います。
▽具体的な言葉を例
「途轍もない」の「途轍(とてつ)」の漢字説明は,本の中で下のような流れでされていました。※原文そのままではありません。
1:意味「並外れていること」
2:漢字「途轍」の「途」は「みち」、「轍」 は「わだち」
3:訓読みしたときの意味「わだち=道に残る車輪の跡」
4:説明「途轍もない→途轍からはずれる→普通ではない」
↑
こんな流れで説明されていて、わかりやすいと思いました。
🤔「あれ? 本当は この本の肯定派なんじゃないの?」
😐「いえいえ… 学びとは、それの使い方・目的が重要です。」
🤔「この本で学ぶと、使い方・目的がおかしくなると?」
😐「どっちかというと、この本の見出し・表紙を見て買う人自体、"もとから目的が不純"である傾向がありますね。」
▼章が進むとビジネス書的アオリ多く
「迷わない漢字」は「余計なアオリのコトバ」が含まれています。ここからは、その「余計なアオリ」を 説明していきます。
▽「不安アオリ」が 垣間見える3章
本「迷わない日本語」の「第3章」の titleは、「その漢字の意味をめぐる大誤解とは?」です。
「大誤解」という不安を煽るコトバを用いてきたためか、「ビジネス書臭さ」が漂ってきましたね。とはいえ、「誤解」は「個人で完結」することもあるものなので、完全な恐怖心アオリではありません。
😀「ああ、こんな意味だったんだ。へえ。」
くらいで、「人前で恥かき」を露骨にイメージさせるものではありません。「個人で完結」することも多いものです。
▽3章の中身自体はどうなんよ?
内容としては漢字を根本に近い位置から考えようという要素があり、いいと思います。
【例】
・「集落」の「落」
・「敗北」の「北」
など、その漢字が使われているのはなぜかという説明。
▽「大人同士の会話」というビジネス書購読層が好むコトバ
第4章「メディアで見聞きする漢字には“ワケ"がある」の章説明には下の2つの漢熟語が出てきます。
だんだん・次第に・過程などの意味の「
職務やめさせ・免職などの意味の「
そして、本の中で2つのコトバをこう主張しています。
・大人同士の会話に よく登場する熟語
・正しく知っていれば、恥をかくこともなくなる
そして、本の中で2つのコトバを例に章説明をする中で「恐怖心アオリ」を本格化してきます。
「大人同士の会話にも、よく登場する熟語」
「恥をかくこともなくなるでしょう」
↑
この手の「恥」やら「大人」やらの文言は「ビジネス書あるある」です。
▽「できる大人」「新鮮な言葉」というビジネス書購読層が好むコトバ
第6章のタイトルは【できる大人は、「モノ」 「人」「場所」を 新鮮な言葉で表現する】というものです。
「できる大人」
「新鮮な言葉」
↑
これらのコトバは、「人前で どう思われるか」をイメージさせるコトバです。つまり、「人前での恥かき を 露骨にイメージさせるもの」です。
そして、「人前での恥かき」に 対する「牽制」に位置するものとして、「人前で見え張り」「インテリぶり」が あります。ただし、これは物珍しいコトバを使うだけで、「スゴイ!」と思ってくれる浅瀬での牽制です。
浅瀬の者には牽制になるかもしれませんが、「ほんとうに できる大人」は、言葉のウワツラではなく中身を見ます。
「できる大人」は「人前で見え張り※」を したい人が夢見る姿で、
「新鮮な言葉」は「インテリぶり」を したい人が使う言葉です。
※:人前で見え張り=「人前で見栄張り」じゃないの? と思ったアナタは「漢字崇拝・当て字崇拝」の社会に毒されている。「見栄」は当て字である。※参照→当て字辞典風「ま行」
▽7・8・9章は怒涛のアオリ
第7章では、【手強い熟語が使えると、ひとつ上の「国語力」が身につく】というtitleです。さらに、章の小見出し的な部分のアオリが凄まじいです。
・インテリと思われる日本語
・これを知らないと確実に恥をかく
・「言葉力」のある人だけが身につけていること
「言葉力」やら「インテリ」やら「恥をかく」やら、スゴイ アオリです。しかも、「確実に」と つけて、恐怖心アオリを高めています。また「言葉力」というインテリぶりが好きそうなコトバも出してきましたね。
第8章もアオリがすごい。第8章のtitleは【「語彙力」が身につくと、言いたいことがきちんと言える】です。
そもそも「語彙力」というコトバは、【日本語に不安を覚える層・インテリぶり層】に人気のあるコトバです。これを入れれば、そういった層が食いつきます。
この章の小見出し的な部分のアオリは、凄まじすぎてボスラッシュとも言えるアオリ具合です。
・難しい熟語は、こう覚えればいい
・ワンランク上の熟語の「読み方」「使い方」
・一目置かれる熟語の「読み方」「使い方」
・日本語のプロが使っている日本語
「プロ」やら「ワンランク」やら「一目置かれる」やら、アオリ度がスゴイですね。これを見た【日本語に不安を覚える層・インテリぶり層】は、もうヨダレ タラタラで、食いつくでしょう。※「難しい熟語」という誘惑が弱く見えるほどです(笑)。
▼アオリだらけの日本語解説本で学ぶ動機・目的
今まで紹介してきた 数々のアオリを含む日本語解説本を買うのは、
インテリぶり層
です。そしてビジネス書を好む性質にあります。本屋のビジネス書コーナーに置かれる日本語解説本と学習書籍コーナーに置かれる日本語解説本と別れています。なぜでしょう?
それは、「この本は日本語解説本だけど、ターゲットは日本語を学びたい人ではなく、インテリぶり層だろう」という認識が本屋にも出版社にもあるということです。
・日本語に不安を覚える層※
※この「不安を覚える」というのは苦手という意味ではなく、環境上・立場上、間違わないようにしなきゃいけない不安を持っている人を指す。
▽インテリぶり が 日本語解説本で学ぶ動機・目的
インテリぶり が 日本語解説本で学ぶ動機・目的は?
ここが 重要な部分です。
「インテリぶり層」は、その名の通り「インテリぶりたい」のです。つまり、「インテリぶり」を 「最終目標」として学びがちです。
こういった人たちは、コトバを伝えるためではなく、インテリぶりしたいがためにコトバを使います。その結果、使わなくていい表現を使って、相手に「?」マークをつくらせて、それに対して幸福感を得ている人たちなのです。
😐「どっちかというと、この本の見出し・表紙を見て買う人自体、"もとから目的が不純"である傾向がありますね。」
↑
この記事の序盤で、このようなことを書きました。"もとから目的が不純"というのの答え合わせが、「伝えるためにコトバを学ぶのではなく、インテリぶりのためにコトバを学ぶ」というのが答えです。
▼おわりに
知り合いが持っていた本「迷わない漢字」を目にして、「ビジネス書臭さのある日本語解説本だなあ…」と思いました。
ふだんなら、読もうという気にはなりませんが、「ある試み」を思いつきました。 「ビジネス書系日本語解説本」を読むことで…
「コレを読む層が、この本で学んだ知識をどう使うか、そしてそのせいでビジネス界が日本語をどう乱すのか」
などの研究になると思いました。
▼独自用語説明
※コレラは 和語の里が、この記事で便宜上 使っている言葉だが、他の記事でも使うかもしれない。
【ビジネス書系日本語解説本】
書店に並ぶ日本語解説本を目的別で2種類に分けると、「ビジネス書系」か「ビジネス書系ではない」の2通りに分けることができます。この記事では、前者の日本語解説本を「ビジネス書系日本語解説本」と呼んでいます。残念ながら売り上げとして、多くの発行部数を売り上げるのは「ビジネス書系日本語解説本」です。
【インテリぶり】
インテリぶり=「知識、学問、教養を持った人々」の
ふり(ぶり)…つまり、マネをしていてもナリキリできていないの
難しそうなコトバ使うだけでは 真のインテリに なれません。
相手がバカであれば、難しそうなコトバ使うだけで騙せるかもしれませんが、「本質を見る人相手」ではインテリと思われないでしょう。
【記事編集用Link】
https://blog.hatena.ne.jp/peaceheart/onbin.hateblo.jp/edit?entry=13574176438067630904
【KEYWORD ZONE】
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