和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

やまとことば・和語・日本語に関する情報をデータ化・日本語の問題点解説。語彙力・難読漢字クイズなどによる教養アオリの否定など。

「飲み代(のみだい)」を「のみしろ」だと上司に言ったらブチギレ! 「のみだい」で問題ナシの理由。【漢字クイズ=日本語の思考・ビジネス に 逆効果】

▼アンケートでは9割が「のみだい」読み

 2019年4月にTwitter上で行われたアンケートでは、ほぼ9割の人が「のみだい」と読むという結果になりました。※89.9%。

 このような結果から、「のみだい」読みが一般的ということを読み手のみなさんには知っていただきたいです。

※インターネットで行われるアンケートや質問は、先に検索して答える人もいるため、「調べるのは禁止」というルールにしていた場合は95%以上は「のみだい」と答えていたと考えられる。Tweetが削除される可能性もあるため、ARCHIVEを残しました。「コチラ」から飛んでください。

 

▼「飲み代=のみだい」を間違いとしている漢字クイズ記事

 下が「現代ビジネス」の「漢字クイズ」の 記事です。

出典:【難読漢字】「飲み代」を間違って読んでいませんか?(現代ビジネス)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77389?page=2

突然ですが、「飲み代」という漢字、読めますか?

意味はもちろん、「酒を飲む代金」「酒代(さかだい)」のことです。

〜中略〜

答えは、「のみしろ」でした。

「今週は飲み代がかさんだ」「給料を飲み代につぎ込む」などよく使う表現ですね。

ただ、近年辞典などでは「のみしろ」「のみだい」のどちらも表記されているものもあるようです。

         ↑

 聞いておきますが…

 上の記事の解説を鵜呑みになんてしてませんよね?


 「一般的な社会生活をしている人・ある程度の言語思考能力を持つ人」ならば、上の記事がオカシイということに気づくはずです。

 しかしながら、変な記事を鵜呑みにする「純粋でpureなheart(ピュアなハート)」の社会人などもいると考えて、注意喚起のための記事を書きます。

 

日本新聞協会の委員 や 点訳校正委員会報告 でも「のみだい」が許容されている

 読売テレビの報道局専門部長、「現代用語の基礎知識」執筆委員、日本新聞協会用語懇談会委員の「道浦俊彦」さんの書いていたブログでも許容されていました。
 点訳校正委員会報告でも「のみだい」が許容されていました。
 その時点で、失礼クリエイターが「のみだい=間違い」と言い放っても説得力はありません。
 「〇〇委員」などのようなコトバを扱う人々が「のみだい」を許容している理由はオマケでまとめています。
 この記事では、和語の里なりに「のみだい」を許容すべき理由を書いていきます。

 

▽辞書上の読みは確かに「のみしろ」である

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E9%A3%B2%E4%BB%A3/#jn-172400」のリンクから、「飲み代」の見出しのコトバを確認できます。

出典:デジタル大辞泉「のみ‐しろ【飲(み)代】」

酒を飲む代金。酒代(さかだい)。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E9%A3%B2%E4%BB%A3/#jn-172400

 

 ふむふむ、辞書上では 確かに「のみしろ」ですね。
 だからと言って「のみだい=間違い」かと考えるのは、浅はかすぎます。

 

▼「飲み代=のみだい」でも問題ないワケ

▽漢字クイズの知識を そのまま使おうとした部下

    ↑

 この画像は、部下といっしょに仕事帰りに飲み屋で飲み食いした日の会話です。

 

 上司は キゲンもよく よく飲み屋に来るのに付き合ってくれる部下に、😋「今日はオゴッてあげよう!」と思いました。そこで会話です。

 

上司😋「飲み代(のみだい)、今日は オレが払うよ!」
 部下😜「あざっす! でも、"のみだい"じゃなくて"のみしろ"ですよ!」
上司😡「だまれバカ! "飲み"+"代金(だいきん)"のつもりで言ってるんだから、間違ってねえよ!!」

   ↑
 当たり前ですが、このように怒られます。しかも、上司が悪いのではなく、部下が悪いためです。
 セリフから日本語を単純に応用しているというのがわかります。応用できる人間ならば、なぜ「のみだい」でも大丈夫かわかったと思います。
※納得できない人・分からない人に向けて、以降で詳しく説明します。

 

▽部下の問題点「記憶型言語能力」への偏り

 まず 大前提として、「商品やサービス」の「代金」を 表すために「〇〇代(だい)」と言い表すのは ふつうのことです。

 コトバとコトバをつなぎ合わせて話すという思考能力を持っていれば、ごくふつうに生まれるコトバです。

 要は 日本語ネイティブ話者なら、"そこら辺のギャルでもヤンキーでも持つ思考能力"です。

 

 しかし、部下は「思考型言語能力」が足りなく「記憶型言語能力」が、そこそこあるような人だったということです。

 そのためか、小学生でも分かる「商品やサービス」+「代金の"代(だい)"」という思考ができなかったのです。

 

 「記憶型言語能力」への偏りが強いと、「A=α」のような記憶方法だけで言語を身に着けようとしてしまいます。

 しかし、コトバとは柔軟に結びついて その場に応じた表現が生み出されることが多いです

 思考型言語能力があれば、それに対応するのもカンタンですが、記憶型言語能力ばかりに頼っている人は、それに対応できません。

 今回であれば、「飲み」+「代(だい)」という造語に対応できず、「飲み代(のみしろ)」という辞書に載っている情報を記憶したことがあり、「その記憶だけで言語を使おうとしていた」のが問題の原因ということです。

 

▽「商品やサービス」+「代(だい)」は、昔からの造語方法

 「代」で終わる言葉を「goo国語辞書」で検索してみれば分かります。

 日本人は なにかしらの料金を表現する際に、「〇〇+代(だい)」と表現して 多くのコトバを生み出しています。。

URL:dictionary.goo.ne.jp/srch/jn/代/m2u/

 

出典:デジタル大辞泉小学館

くすり‐だい【薬代】病院や薬局に支払う薬の代金。また、治療費。

こおり‐だい【氷代】1 氷の代金。 2 暮れに支給する餅代に対して、夏場に支給する小額の金銭。また、夏場に政党や党内の派閥が所属議員に配る活動資金。→餅代

こめ‐だい【米代】  米を買う金。

せき‐だい【席代】  席料。

ばしょ‐だい【場所代】商売などをするための場所の使用料。

 「商品・サービス」+「代(だい)」からなるコトバは、このように しっかりと辞書に収録されています。 どれも どこかで聞いたことがあるコトバだと思います。

 これらは 一部をまとめたに過ぎません。ほかにも「商品・サービス」+「代(だい)」からなるコトバは、たくさん あります。

 上の記事に まとめていますので、URLから飛んでください。
URL=https://onbin.hateblo.jp/entry/dic0dai0a

 

▼おわりに

・記憶型言語能力
・思考型言語能力

   ↑

 この2つを重視して解説する記事を 事前に投稿するつもりだったのですが、「のみしろ問題」で 説明のために使わざるをえなかったため、この記事で使ってしまいました。

 

・記憶型言語能力
・思考型言語能力

 それぞれに偏った人を表す際に

・記憶型言語話者
・思考型言語話者

 という用語も考えました。とはいえ、偏りの度合いを語るのが大変であるため、この記事では用いていない用語です。

 

▼オマケ:実際に「飲み代」という文字列を含む記事タイトルを「のみしろ」にしたら違和感がスゴイ

https://next.rikunabi.com/journal/20150423/
【20代、30代のリアル月次収支】月の飲み代15万円超!会社帰りに毎晩はしご酒の28歳@リクナビNEXTジャーナル

 

https://www.zeiri4.com/c_1032/n_747/
「飲み代は落ちるのに…」ベビーシッター代、経費にならないのおかしくない?@税理士ドットコム

   ↑

 これらの2つの記事の「飲み代」にルビをつけるので、どちらが違和感が大きいかを感覚的に感じ取ってください。

 

【A:のみしろ】

・月の飲み代(のみしろ)15万円超!会社帰りに毎晩はしご酒の28歳
・「飲み代(のみしろ)は落ちるのに…」ベビーシッター代、経費にならないのおかしくない?

 

【B:のみだい】

・月の飲み代(のみだい)15万円超!会社帰りに毎晩はしご酒の28歳
・「飲み代(のみだい)は落ちるのに…」ベビーシッター代、経費にならないのおかしくない?

 

 どうでしょうか?

 圧倒的に「A:のみしろ」読みのルビに違和感を覚えるはずです。そして、「B:のみだい」のルビが自然に感じるはずです。

 

▼オマケ:「道浦俊彦」さんのブログでも「〇〇だい」を許容するムネが・・・

 読売テレビの報道局専門部長、「現代用語の基礎知識」執筆委員、日本新聞協会用語懇談会委員の「道浦俊彦」さんが、2008年に「とっておきの話」というブログで、こう書いていました。

https://www.ytv.co.jp/announce/kotoba/back/3401-3500/3466.html
出典:とっておきの話
「うーん、辞書に従えば『さかだい』なんでしょうけど、『さけ(酒)』の“代金”だということをアピールするには、『さけだい』の方がいいですよねえ・・・」
と考えて、結局、
「さけだい」
で放送しました。

   ↑
 放送局ですら、辞書の読みだけが正しいと考えずに、自然な読みである「さけだい」で放送したということが書かれています。

 

https://www.ytv.co.jp/announce/kotoba/back/3401-3500/3466.html
出典:とっておきの話
今では『NHK日本語発音アクセント辞典』も「飲み代」の読み方(アクセント)で、
「ノミシロ」と「ノミダイ」の両方を載せています。

   ↑
 当然といえば当然ですが、現代において「飲み代」の読みの部分に「のみしろ」だけでなく「のみだい」も載せておくべきなのです。

 

▼オマケ:「点訳校正委員会報告」でも「間違い」ではないと語られる

 今では「のみだい」が圧倒的多数なので「間違いということはない」と語られています。
 <「飲み代」を「のみだい」だと思っていたら〜>のように、書き手自身も「のみだい」と思い込むくらい浸透しているコトバであり、自然なコトバであるということです。

http://www.shichocenter.kagoshima.kagoshima.jp/shikaku_sub/tennyaku_kosei.html
出典:点訳校正委員会報告

9.【読みいろいろ】

「飲み代」を「のみだい」だと思っていたら、正しくは「のみしろ」なのだそうです。
今では「飲み代」の読みは「のみだい」が圧倒的に多数を占めているようで、「ノミダイ」が間違い、ということではありません。

 「点訳校正委員会報告」とは「鹿児島県視聴覚障害者情報センターの点訳ボランティアさん用に、点訳校正委員会報告をまとめたページ」だそうです。

 

 だいぶ前に、「現代ビジネス」が漢字クイズの記事を乱発することに苦言を呈す記事を書きました。。

 

 

 

kw:のみだい、のみたい、飲みたい、ノミダイ、nomidai、飲み台、ノミ台、飲み代
のみしろ、ノミシロ、nomisiro、飲み代、呑み代、飲代
【漢字クイズ=日本語の思考・ビジネス に 逆効果】
「のみだい or のみしろ 問題」、のみだい のみしろ 正しいのはどっち、のみだい のみしろ 違い、

のみしろもんだい、のみしろもんたい、飲み代門体、ノミシロモンタイ、nomisiromonndai、「のみだい or のみしろ 問題」

kw:漢字クイズ=日本語の思考・ビジネス に 逆効果】
tng0nomidai0nomisiro