和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

やまとことば・和語・日本語に関する情報をデータ化・日本語の問題点解説。語彙力・難読漢字クイズなどによる教養アオリの否定など。

Google翻訳にて中国語「阿」→日本語「NS」になったという話【誤翻訳・珍翻訳・謎翻訳】

▼【謎翻訳】中国語→日本語

骆驼(駱駝)→キャメル
※骆驼(駱駝)はラクダのこと

阿→NS
※ NSは「nuclear ship(原子力船)」の略としても存在するが、そもそも日本語への翻訳として「NS」は変だろうという話。

鸣(Míng)→明(Akira)
鳴(Míng)→明(Akira)
※カッコ内のローマ字は、G翻訳の中国語と日本語の下に表示されるローマ字。G翻訳のシステム・AIは その中国語の漢字を どう認識しているのか、日本語の文字を どう認識しているのかをローマ字で表示しているものと思われる。

▼【謎翻訳】日本語→中国語

拗→多肉植物
※拗は拗音で使う漢字

▼謎翻訳と書いたが…

 謎翻訳とはいえ、「それの意味はこうだから翻訳として成立しているよ。」という意見がありましたら、コメントでお願いします。
 まあ、意味として成立していも、「日本語への翻訳」という点で見て問題があるなら謎翻訳として扱いますが。

▼単語ごとに

 さきほど、まとめて紹介したものを単語ごとに細かく説明。

▽骆驼→キャメル

 骆驼(駱駝)→キャメル
※骆驼(駱駝)はラクダのこと

 日本語に訳したのに「キャメル(camel)」という英語圏の外来語に訳されました。
※研究社 新英和中辞典での「camel」の意味「ラクダ」。

▽骆驼→キャメル 犬で例える

 どういうことが起きているか 「犬」というコトバを使って例えます。

中国語 狗(コウ)
↑これを日本語に翻訳

日本語 イヌ(犬)
↑ふつうは これを翻訳結果として出すべき

カタカナ英語 ドッグ
↑なぜか、カタカナ英語「ドッグ」を翻訳結果として出してしまう

英語 dog
↑カタカナ英語「ドッグ」は、英語「dog」をカタカナ表記しただけのもので本質的には日本語とは言いにくい。

※ドッグは日本でも認知度が高い単語なので、ドッグなら、まあ日本語の翻訳としても、許せる範囲とはいえ、犬と翻訳するよりは違和感が大きいはずです。


▽骆驼→キャメル 犬の例えを使う

 先程の「犬」の例えを「ラクダ」というコトバに置き換える

中国語「駱駝(Luòtuó ルオトアのような発音)」
↑これを日本語に翻訳

日本語「らくだ・ラクダ」
↑ふつうは これを翻訳結果として出すべき

カタカナ英語「キャメル」
↑なぜか、英語カタカナ「キャメル」を翻訳結果として出してしまう

英語「camel」
↑カタカナ英語「キャメル」は、英語「camel」をカタカナ表記しただけのもので本質的には日本語とは言いにくい。

 ラクダという日本語で浸透しているコトバがあるにも関わらず、「キャメル」というカタカナ英語を翻訳結果に使うのは、どうかしています。

白水社 中国語辞典「狗 ピンインgǒu」
1名詞 〔‘只 zhī ・条’+〕犬.⇒狼狗 lánggǒu ,哈巴狗 hǎ・bagǒu ,看家狗 kānjiāgǒu ,走狗 zǒu‖gǒu .
2付属形態素 *1 いまいましい.

白水社 中国語辞典「骆驼 ピンインluò・tuo」
名詞 〔‘匹’+〕ラクダ.
用例〜(後略)

研究社 新英和中辞典での「camel」の意味
音節cam・el 発音記号・読み方/kˈæm(ə)l/発音を聞く
名詞
1可算名詞 【動物, 動物学】 ラクダ.
an Arabian [a Bactrian] camel ヒトコブ[フタコブ]ラクダ.
2不可算名詞 ラクダ色 《淡黄褐色》.
3可算名詞 【航海, 海語】 浮き箱 《沈没船などを水中から引き上げたり,舟橋などに用いる》.
形容詞
ラクダ色の.

▽拗→多肉植物


 拗の下に「sune」と書かれています。
 これは、「すねる」の漢字表記の一つ「拗ねる・拗る」から「拗=すね=sune」とAIが判断したのかと思われます。
 ただ、その「sune」から多肉植物が連想されるのもよくわかりませんね。
 中国では「拗」と多肉植物が関連するのでしょうか?

 白水社 中国語辞典で「拗(抝)」を調べると、

・(方言) 動詞 曲げて折る.
・形容詞 ひねくれている,かたくなである,片意地である

 という意味が見つかりました。これらの意味と多肉植物にイマイチ関連が見いだせません。


▽鳴・鸣(Míng)→明(Akira) 音の誤翻訳説

 音で見てみると、鳴・鸣は「Míng(ミン)」という音です。そして、中国語の「明」も「Míng(ミン)」という音です。
 そこで、音だけで機械翻訳が判断して「鳴・鸣(Míng)=明(Míng)」としてしまったのではないかと考えられます。

 ただ、ここで不思議なのは、中国語「明(Míng)」を翻訳すると、日本語「明るい(Akarui)」という翻訳をしてくれることです。
 機械翻訳でも「明→明るい」という結びつけはされているのに、その前に「鳴・鸣(Míng)」が入ると、「明→明るい」の翻訳をせずに、「明」で終わらせてしまうということです。
 まあ、そもそも「鳴・鸣(Míng)」と「明(Míng)」を同一視している段階で翻訳としてはミスっているのですが(笑)。

▽鳴・鸣(Míng)→明(Akira) なぜ人名?

 機械翻訳といえでも、翻訳というのは個人の名前で使われがちなものを出力するのは不自然です。
 名字+名前のようにフルネームで著名人と判断できれば、その著名人を翻訳結果として出すのは問題ないと思います。しかし、日本においての汎用的な名前を出すのは違和感があります。
 もしかして、中国において人名に「鸣(Míng)」を使うのは、日本において「あきら」と名付けるくらい多い事例なのでしょうか?
 とはいえ、G翻訳は「John(ジョン)」を「たかし・太郎」などと翻訳するわけではありません。「John→ジョン」と翻訳されます。
 わざわざ、それっぽい名前に翻訳するわでもないので、やはり謎な翻訳と言えます。

▽鳴・鸣(Míng)→明(Akira) 意味の誤翻訳説

 この珍翻訳は、意味上 機械翻訳でそうなったという可能性もあります。

【意味上の誤翻訳の説】
 下が中国語においての「鳴・鸣」の意味ですが、「明るい」などの意味は持っていません。しかし、意味3の「表明する」などの意味に注目してみましょう。


白水社 中国語辞典「鸣 ピンインmíng」
*2
1(鳥獣・昆虫が)鳴く.≦叫11.
用例
鸡鸣。=鶏が鳴く.
秋虫夜鸣*3=秋の虫が夜に鳴く.
2鳴る,鳴らす.
用例
汽笛长鸣。=汽笛が長く響く.
钟鸣三下。=時計が3時を打った.
鸣礼炮二十一响。=礼砲を21発打ち鳴らす.
3(情感・意見・主張を)表明する,表わす,述べる.⇒争鸣 zhēngmíng .大鸣大放 dà míng dà fàng .
(情感・意見・主張を)
・表明する
・表わす
・述べる
 などは 表に出す、ハッキリさせる・考えを明らかにするなどとも捉えられます。
 そのため、「ハッキリさせる・明らかにする」を「明」と翻訳してしまっている可能性もあるかもしれません。
 まあ、先程説明した音による誤翻訳が一番可能性が高そうですが…

▼見つけ次第 追加予定

 こういった謎翻訳は、見つけようおと思って見つけるのは難しいので、

【記事編集用Link】
https://blog.hatena.ne.jp/peaceheart/onbin.hateblo.jp/edit?entry=6801883189056920427

【KEYWORD ZONE】tr_a_ns
tinnhonnyaku、tinhonyaku、ちんほんやく、ちんほにゃく、ちんぽんやく、ちんぽにゃく、チン翻訳・珍本役・珍翻訳
nazohonnyaku、nazohonyaku、なぞほんやく、なぞほにゃく、なぞ翻訳、誤翻訳
gohonnyaku、gohonyaku、ごほんやく、ゴホンヤク、誤翻訳、ご翻訳、御翻訳、ご本厄、ごほにゃく
honnyaku、honyaku、ほんやく、ホンヤク、翻訳、本厄、ほにゃく、
Translate、torannsure-to、とらんすれーと、トランスレート

*1:罵り語

*2:文語文[昔の書き言葉]

*3:成語