「二兎を追う者は一兎を得ず」
「二兎を追う者は一兎をも得ず」
このコトワザは「二つの目標を同時に追求しようとすると、結局、どちらも取り逃がしてしまうことのたとえ。」です。※ことわざを知る辞典 より
😓「を得ず… をも得ず… あれ? どっちが正しいの?」
😃「辞典の見出しと説明の中ですら、表現のブレがあります。」
😓「なんだってえ!?」
▼「を得ず」「をも得ず」どっち?
▽辞典の見出しと例文でブレている
ことわざを知る辞典「二兎を追う者は一兎をも得ず」
url:https://kotobank.jp/word/%E4%BA%8C%E5%85%8E%E3%82%92%E8%BF%BD%E3%81%86%E8%80%85%E3%81%AF%E4%B8%80%E5%85%8E%E3%82%92%E3%82%82%E5%BE%97%E3%81%9A-592428
ことわざを知る辞典では、見出しが「二兎を追う者は一兎をも得ず」となっています。
その辞典における説明を見てみると、使用例に過去の文献[巌谷小波*暑中休暇|1892]が載っています。
そんなに両天秤を掛けたッていけるもんか。二兎を追う者は一兎を得ずッてェ事がある。どっちか一方ひとつに極きめたまい!
見出しは「をも得ず」なのに、引用文は「を得ず」になっています。
【辞書上の見出し】二兎を追う者は一兎をも得ず
【出典例文での表現】二兎を追う者は一兎を得ず
▽なぜブレているのままか
【辞書上の見出し】二兎を追う者は一兎をも得ず
【出典例文での表現】二兎を追う者は一兎を得ず
という組み合わせが、なぜ そのまま通っているかというと、どちらでも間違いではないからです。
仮にコトワザ「痛くも痒くもない」の出典文が、「痛くをも痒くをもない」で、ブレが起きていたら、そのまま通らないと思います。
意味として間違いと言えるブレなら収録しませんが、間違いと言えないブレだから、そのまま出典文として収録が認められたのではないかと考えるのが妥当と思えます。
※辞典編纂者などが気づいていないだけかもしれませんが、それはそれで「気づかないくらいの差異しかない」というアカシにもなります。
▽特殊な問題文の出し方でない限り、どちらも正解
こんな問題を出す人はいないと思いますが、
「二つの目標を同時に追求しようとすると、結局、どちらも取り逃がしてしまうこと」をたとえるコトワザを答えろ。なお、「兎」という字を用いて、「ことわざを知る辞典」の見出しと同じ文言で答えるものとする。↑
このような、特殊な質問方法・問題文の出し方でない限り、下2つどちらで答えても正解とすべきなのです。
【をも】二兎を追う者は一兎をも得ず
【を】二兎を追う者は一兎を得ず
または穴埋め方式で
「二兎を追う者は一兎〇〇得ず」の〇〇に入る2文字を答えろ。↑
このような、特殊な質問方法・問題文の出し方でない限り、下2つどちらで答えても正解とすべきなのです。
【をも】二兎を追う者は一兎をも得ず
【を】二兎を追う者は一兎を得ず
▼作家・俳人・財務副大臣・一橋大学卒も「を得ず」
▽作家・俳人「巖谷 小波(いわや さざなみ)」
出典文の作者は「巖谷 小波(いわや さざなみ)」です。
児童文学者・口演童話家・俳人・ドイツ文学者・ジャーナリストだそうです。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
彼ですら「を得ず」としているのですから、ふだんから昔の作家を崇拝しているアナタも「巖谷 小波(いわや さざなみ)」を崇拝していることでしょう。
※ちなみに和語の里は、昔の文豪だろうが、否定する部分は否定するスタイルです。しかし、多くの日本人は昔の文豪を盲目的に崇拝しています。
昔の文豪を盲目的に崇拝している人なら、巖谷 小波が「を得ず」としているのだから、認めてもいいのでは?
または、和語の里のように、昔の文豪に対する盲目的な崇拝をやめてもいいんですよ。
▽財務副大臣・一橋大学卒「峰崎 直樹(みねざき なおき)」
「二兎を追う者は〜」が参議院 財政金融委員会で使われていました。
しかも、同じ第151回国会で同じ人(峰崎直樹)2回使っています。
さらに面白いことに、「を得ず」「をも得ず」どちらも使っています。
【131】では「二兎を追う者は一兎を得ず」
【134】では「二兎を追う者は一兎をも得ず」
出典:第151回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 平成13年3月22日 > 131・峰崎直樹
九八年のあの危機以来二年半たっているわけですが、要するに、二兎を追う者は一兎を得ずということで財政を徹底的に放漫化し今日来たわけでありますが、
発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115114370X00420010322/131
出典:第151回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 平成13年3月22日 > 134・峰崎直樹
そのときに我々は、二兎を追う者は一兎をも得ずと言うけれども、しかし、そういうやり方でいっても一兎をも得なかったんではないですかということを、この間の議論があるわけですね。
発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115114370X00420010322/134
この「みねざき なおき(峰崎 直樹)」を調べてみると…
【財務副大臣だった】※鳩山内閣時
【一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了】※1969年
という経歴でした。
このような人ですら、「を得ず」「をも得ず」を1会議中に、どちらも使ってしまっています。
※この会議をテキスト化した人のミスという可能性もあるが、それは可能性の話で、ひとまず 公開されているデータで論じます。
▼訳語なんだから、ブレてもしかたがない
辞典の[解説]に【由来・普及理由】などが載っています。
【由来】
・ヨーロッパで広く使われることわざの翻訳
・幕末にオランダ語、フランス語、英語などから並行的に入ってきたものというのが一説
【普及理由】
・明治一〇年(1877)に「西洋諺草」に紹介された
・のちに、小学校の修身や国語の教科書にも登場し、急速に普及する
▽起源であるオランダ語、フランス語、英語など
「二兎を追う者は一兎を得ず」の意味であるコトワザは、オランダ語、フランス語、英語などから入ってきたとされています。
ということは、元祖・起源というのは「オランダ語、フランス語、英語」のどこかにあります。
【外国語の文の翻訳をした場合】
・日本人が日本語文で言い出し始めたわけではない
・「あの日本人はこう言った」というのを一字一句、再現ができない
・翻訳者によって表現がバラバラになる可能性が高い
↑
このようなことが起こります。ブレがあって当然です。
▽古語的表現・文語的表現→現代風に置き換え
コトワザ・故事成語の中にも、置き換えがなされるものがあります。
時代によって、古語的表現・文語的表現が現代風に置き換えられて、辞書に収録されているものもあるということです。
そう考えると、「答えは一つではない」ということがわかると思います。
「日本語文で書いた場合の間違いはどれ?」という質問は、大きく形が崩れていれば、間違いと判定できますが、そうでない限り、間違いと言えません。
▼オマケ
ちなみに英語では、「If you run after two hares, you will catch neither.」※出典:プログレッシブ和英中辞典 第4版
【web archives 二兎を追う者は一兎をも得ずとは - コトバンク】
http://web.archive.org/web/20220119084211/https://kotobank.jp/word/%E4%BA%8C%E5%85%8E%E3%82%92%E8%BF%BD%E3%81%86%E8%80%85%E3%81%AF%E4%B8%80%E5%85%8E%E3%82%92%E3%82%82%E5%BE%97%E3%81%9A-592428
【KEYWORD ZONE】
tni0usagi、tng0nitowooumonohaittowomoezu、tng0nitowooumonohaittowoezu
にとをおうものはいっとをもえず、にとをおうものはいつとをもえす、二兎を追うものはいつともを得す、ニトヲオウモノハイットヲモエズ、nitowooumonohaittowomoezu、二兎を追う者は一兎をも得ず、2兎を追う者は1兎をも得ず
にとをおうものはいっとをえず、にとをおうものはいつとをえす、二兎を追うものは一途を得す、ニトヲオウモノハイットヲエズ、nitowooumonohaittowoezu、二兎を追う者は一兎を得ず、
2兎を追う者は1兎を得ず
kw:にほんごかんりゃくか、にほんこかんりやくか、日本湖管理役か、ニホンゴカンリャクカ、nihongokanryakuka、nihonngokannryakuka、日本語簡略化
kw:にほんごふくざつか、にほんこふくさつか、日本古布草津家、ニホンゴフクザツカ、nihongohukuzatuka、nihonngohukuzatuka、日本語複雑化
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