楓(かえで)
の由来は…
蛙(かえる)+手(て)
=蛙手(かえるで)
その「蛙手(かえるで)」が音変化して「かえで」となったもの
デジタル大辞泉「かえで〔かへで〕【×楓/槭=樹】
《「かえるで(蛙手)」の音変化》
1 カエデ科カエデ属の落葉高木の総称。葉は多くは手のひら状に裂けていて、秋に紅葉または黄葉こうようする。実には翼がある。イロハカエデ・トウカエデ・イタヤカエデ・ミネカエデ・カジカエデ・サトウカエデなど。園芸品種も多い。材は器具・家具用。砂糖をとる種類もある。もみじ。かえでのき。《季 花=春 紅葉=秋》「紅―深し南し西す水の隈/几董」
2 襲かさねの色目の名。表も裏も萌葱もえぎ色のもの。
3 紋所の名。1の葉を図案化したもの。
4 子供や女の小さくかわいらしい手。
「玄関の戸をとんとんと、叩たたく―のわくらばに応こたふる者もなかりける」〈浄・阿波鳴渡〉
▼なぜ「カエル」の「手」なの?
日本大百科全書(ニッポニカ)「カエデ」の解説>文化史にて、
・「かへるで」は「カエデ」の古名
・葉の形がカエルの手に似ることに由来
という説明がある。
実際に比較した画像が下のもの
▼「かえで」の当て字
「蛙手」が由来で、一般的な表記「楓」という当て字※があります。
他にもいくつか表記があります。
・槭
・槭樹
・楓
・鶏冠木
※狭義には当て字扱いされないことも
出典:漢字ペディア「楓」
音:フウ
訓:かえで
意味:①かえで。もみじ。カエデ科の落葉高木。 ②マンサク科の落葉高木。
【かえるで→かえで→かいで】
「かえで」も変化した語だが、さらに変化した「かいで」というものもある。
出典:精選版 日本国語大辞典「かいで【楓】」
〘名〙 「かえで(楓)」の変化した語。
※運歩色葉(1548)「雞冠樹 カイデノキ」
【「かえるで」というコトバが見つかったから】
古い文献に「カエル」単独がなくても、「カエルデ」があったため、その時代に「カエル」というコトバがあったと考えられています。
精選版 日本国語大辞典「かえる かへる【蛙・蛤・蝦】」
[語誌]上代に、「かへる」の確実な例はないが、「万葉‐一六二三」に、楓(かへるで)を「蝦手(かへるて)」と書いた例があるので、「かえる」の語は存したとみられる。
連語の存在は、そこに含まれるコトバの存在の証明にもなりうるということですね。
▼LINKS
kotobank.jp/word/蛙・蛤・蝦-2020054