「少しウマくできたくらいで"イキる"なよ。」のように、TwitterやYoutuberなどの発言を見ていると「イキる」という言葉をよく見ます。
今の20代以下の世代には「イキる」という言葉は、結構馴染み深い言葉だと思います。また、それ以降の世代でも知っている人や使っている人もいます。※今2022年1月。
さらに、
・イキリ散らかす
・イキリをする
・イキった~
・イキリ大学生
・イキリDQN
などの表現も使われており、Twitter検索では「一ヶ月で5万件近いTweet」がされています※。
※Yahoo!リアルタイム検索 30日分@20220104
イキリ33,430件のツイート
イキり13,197件のツイート
いきり2,745件のツイート
▼「実用日本語表現辞典」の死語扱い
▽「実用日本語表現辞典」が「ボン、キュッ、ボン」を死語扱い
「実用日本語表現辞典」の「ボン、キュッ、ボン」という言葉についてと説明を見てみましょう。
半ば死語になりつつある。
これでは、表現の幅が狭まる。豊満で締まった体つきを「グラマー」とも表現するが、それよりもちょっと「青臭いスケベ心のもと、友達と盛り上がるため」に こう言いたい人もいるはずだ。
「あの子、スゲー"ボンキュッボン"だよなあ。」
20210104現在「Yahoo!リアルタイム検索」で、30日分を検索したら、「3000件以上」も見つかりました。
ボンキュッボン:2,777件のツイート
ぼんきゅっぼん: 304件のツイート
▽「実用日本語表現辞典」が「ワロタ」を死語扱い
「実用日本語表現辞典」の「ワロタ」には、下のような記述がありました。
2010年代後半からは「w」や「草」という表現が好まれはじめる。「ワロタ」には死語あるいは時代遅れという印象が持つ人も出始めている。
😀へえ、そうなんだあ。直近の一ヶ月のTweet数でも調べてみようかあ。
「ワロタ」のツイート
474,284件
※Yahoo!リアルタイム検索 30日分@20220104
月に「50万件」近くツイートされているのを「死語という印象」は流石に無理ありすぎでしょう。
むしろ、ここで言いたい。
「死語じゃなくてワロタ」
▼日本語俗語辞書の死語扱い
▽日本語俗語辞書「イキる」を死語扱い
2016.10/23〜2022.01/04 確認時の 「日本語俗語辞書『イキる』の解説」において、「現在はあまり使われない死語となっている。」と 書かれています。
引用:http://zokugo-dict.com/02i/ikiru.htm
現在はあまり使われない死語となっている。
※20161023時点での「イキる」の記事。https://web.archive.org/web/20161023045319/http://zokugo-dict.com/02i/ikiru.htm
※2017/08/02においても同様→https://web.archive.org/web/20170802083457/http://zokugo-dict.com/02i/ikiru.htm
※今2021/03/03~2022.01/04においても同様→http://zokugo-dict.com/02i/ikiru.htm
この記事を「日本語俗語辞書」関係者が見たら、できれば「死語と書いてしまいましたが、そうではありませんでした。」と訂正してくれるのが望ましいです。影響力のあるサイトなので、無告知で修正はよくありません。webarchivesのLinkを載せておきました。
▼まともな百科事典も「死語」とか書いちゃってるよ…
「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典」は、このブログでも多く参考にさせていただいているのですが、一部の言葉を死語扱いしていました。
▽ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ウルトラC」を死語扱い
実際は死語というには過言というレベルだと思われる言葉「
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ウルトラC」 体操競技
かつて独創的で超高難度の体操競技の技に対して用いられた通称~(中略)~当時の採点規則での最高難度Cをこえる難度の技,という意味で命名された~(中略)~1985年以降Cを上回るD難度,さらにはE難度が登場したため,実質的に死語になった。
もちろん、この記述は「競技の解説においての"ウルトラC"が死語」という意味で書いていると思いますが、言葉足らず感が否めません。
【ネット上のナマの声に近いTwitterで「ウルトラC」を検索してみた。】
「国の低所得者イジメだ」法改正で老親の介護コスト急増に激怒する人に教える"負担回避のウルトラC" https://t.co/eIxOkgv7bJ
— 鎌田 (@nqrxTpsKpAeeA9E) 2022年1月4日
https://twitter.com/nqrxTpsKpAeeA9E/status/1478165157352468480
老親の介護コスト急増をどうするか、負担回避しなきゃ→「ウルトラCがあるぞ」というように、「大技・裏技的なもの」という表現で使われています。
まあ、そういう、「~であるべき」がない体系だからこそ、「神仏習合」なんていうウルトラCが可能だったわけで
— moritatsu (@moritatsu) 2022年1月3日
https://twitter.com/moritatsu/status/1478115581136355328
「神仏習合」とは、神道と仏教という別物を融合させたもので、日本人の生活にも溶け込んでいるため、驚きがない人もいると思いますが、本来「ウルトラC」とも言うべき大技です。
この例で使っている「ウルトラC」は大技という意味のほか、「禁忌を打ち破るスゴ技」という意味でも使われていると考えられます。
上2つのように「スゴイ技」を表すために"ウルトラC"を使う人がいます。便利な言葉なので、使う人は意外と多いです。
▽ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「アマチュア」を死語扱い
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「アマチュア amateur」
職業化していない人。プロフェッショナルの対語。~(中略)~1974年国際オリンピック委員会 IOC総会で参加者資格規程が大幅に改定され,オリンピック憲章からアマチュアの定義が削除された。これにより,スポーツ選手が個別にスポンサーと契約したり,当該団体から必要経費や広告出演料を受け取ることが可能となった。毎日練習もしくは試合に出場し,ほかの職業についていないプロフェッショナル,いわゆる「フルタイム・アスリート」がどの競技でもトップレベル層を構成するようになり,アマチュアということばはほとんど死語となった。 (→アマチュア規程 )
↑
「アマチュアということばはほとんど死語となった。」と書いてしまっています。【「アマチュア」という言葉=「死語」】と読み取れてしまいます。
この説明書きをした人の意図としては、「スポーツ契約においての"アマチュア"が死語」という説明かもしれませんが、それならば勘違いさせる記述はよくありません。
そもそも、「厳密な定義でのみの死語」と「世間的に使われない死語」では大違いです。そして、前者「厳密な定義でのみの死語」は「世間的に見て死語扱いではない」と言えます。
【「アマチュア」は普通に使っとるがな】
そもそも「日本ボクシング連盟」は、「アマチュア」って言葉を普通に使っている。
https://jabf-revival.com/amateur/
↑
このように、「日本ボクシング連盟」は、、「アマチュア」って言葉を普通に使っている。
一般財団法人 全日本野球協会 アマチュア野球規則委員会 各種資料
https://baseballjapan.org/jpn/umpire/rulecommittee.html
↑
このように、「日本ボクシング連盟」は、「アマチュア」「一般財団法人 全日本野球協会」は、「アマチュア」って言葉を普通に使っている。
連盟・協会などのオオヤケになっているところが「アマチュア」という言葉を使っているのに、「死語扱い」というのは、あまりに行き過ぎているのでは?
【「アマチュア」は一般人も使う】
「というか一般人も使うだろ!」
というツッコミを入れてた人もいたはず。まさしく、そのとおり! 「アマチュア」なんて、「プロの選手」という存在を認知した時点で、それに対する対義語として、「アマチュア選手」というのを認知していくもの。
マンガなどで、ヘタな人を罵る悪役などが「しょせん、アマチュアだな」のような比喩表現も見られます。※別にプロじゃない人(アマチュア)が同じアマチュアに対して用いることもある。
▼具体的なデータもナシに死語としていいのか
ところで
・イキる
・ボンキュッボン
などの言葉、人と関わりのある人・テレビや動画などを見る人・SNSを見る人であれば、1年に1回以上は目耳にするであろう言葉だと思います。
では、こういった言葉を「死語扱い」する根拠はあったのでしょうか? 例えば、日本全国くまなくRANDOMに年齢も幅広く聞き取り調査したとか。そして、その調査を根拠に使えるほどの母数があるのかとか。
「全国老若男女、割合に偏りなく10万人に聞いてみました。」
なら分かりますが、そういった根拠となるデータがあって「死語扱い」してるように見えません。というか、一所懸命調査していたら、自分からデータを見せたくなるものです。おそらく、数多くを対象に調査せずに「死語扱い」していると思われます。
根拠のない「死語扱い」は、言語に携わる人からしたら、犯罪級の悪事と感じる人もいるでしょう。なぜなら…
「普通に使われている言葉を死語認定する」
→「死語という認識で拡散」
→「人々はその言葉を使うのを遠慮する」
→「その言葉が使われにくくなる」
→「死語に向かっていく」
このような流れが生まれてしまうからです。「言葉は生きているから変わるもの」と言われますが、それは「自然に変わるからこそ生きている」と言えます。だれかのアオリによって変えられてしまうのは"生きている"ではなく"人工的に製造"していると言えるからです。
▼おわりに
多少、ネタっぽいタイトルで記事を書き始めましたが、日本語のあり方・生き方を考える上で価値のある記事だと思います。
あなたも知らずに「死語クリエイター」になっていませんか? 気をつけましょう。
※「死語」の定義自体が人によってバラバラです。しかし、一般に向けて書くもので「死語」と使った場合は、「古語のように古臭く、使うのはオカシイ」などの印象を与えます。安易にそういう印象を与えるのが危険というのを伝えたいです。
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"死語を殺すな"
"殺して死語にしたのは死語と言った人"