和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

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比較用の形容詞。「赤い消防車」←この「赤い」は比較用・教育用の形容詞用法【日本語と文法】


「赤い消防車」
 という文言が書かれていて、それを読んだ人が

🤔「え? "赤くない消防車"なんてあるの?」

 そうつぶやきました。

 しかし、これは大きな勘違いゆえの発言です。
 「比較用の形容詞」なのに、「限定する形容詞」と勘違いしてしまっています。

▼限定する形容詞・比較用の形容詞

【限定する形容詞】赤い絵の具
【比較用の形容詞】赤い消防車

▽【限定する形容詞】赤い絵の具

 「絵の具」には、さまざまな種類の色がありますよね。
>>「絵を描いている田中さんが車を絵の具で塗る」
 と書いてあるだけで「どういう系統の色で塗ったのか」がわかりません。
※それに、多彩な色で塗った可能性もあります。

 そこで、「赤い絵の具」と書かれていれば、「赤い系統の色」というのがわかります。
 これは「色を限定・色の範囲を狭める」ということになります。
 それを和語の里では「限定する形容詞」と呼んでいます。


▽【比較用の形容詞】赤い消防車

 「消防車」と聞いて想像する色は、「」ですよね。
 そのため、わざわざ「赤い」をつけなくても、みなが想像する色は変わらないのです。

 しかし、「赤い消防車」という文言はオカシイわけではありません。たとえば、次のような文…
「"白い救急車"と比べて"赤い消防車"は、火の色を連想します。」
   ↑
 これは、消防車が赤い色というのは知られていますし、常識的な認識です。
 しかし、この文は「救急車」と「消防車」を比較する文です。
 
 そのため、なにを比較しているかを明確にするために、「白い・赤い」という形容詞を比較対象の2つにつけて、色についての比較の文だというのをわかりやすくしています。
 これを和語の里では「比較用の形容詞」と呼んでいます。

▽【比較用の形容詞】必須ではなく補助

【A】「"白い救急車"と比べて"赤い消防車"は、火の色を連想します。」
【B】「"救急車"と比べて"消防車"は、火の色を連想します。」

 【B】のように色の形容詞を抜いた場合はどうでしょう。
 色の情報がなくても、読み手は「色を比較している文」であると認識できるので、必須ではない情報です。

 とはいえ、一瞬だけ思考に時間が かかり、読みにおける"一時停止"が入ります。

 それに比べて、【A】のように、"白い救急車"・"赤い消防車"などのように、比較する要素である「白い」「赤い」などの色の説明までしている文はスラスラ読めます。

 このとき使われている「白い」「赤い」というのは、理解する上で必須ではありませんが、補助の役割を持っています。

▼別な用法も

▽全般との比較用の形容詞

 今回は、「白い救急車」という、ハッキリとした比較対象も含んだ文ですが、
「"赤い消防車"は、火の色を連想しやすい。」
   ↑
 このように書かれていた場合は、「車と呼ばれるもの全般と比較して、赤い色である救急車はこうだ」という比較の文なので、この場合も「比較用の形容詞」と言えます。

▽教育用の形容詞

 ほかにも…
「"あかいしょうぼうしゃ(赤い消防車)"は、ひをけす おしごとするよ。」
   ↑
 このように、児童書に書かれていた場合は、「火を消す仕事をする車は"しょうぼうしゃ"と呼ぶ」というのが分かります。
 それと同時に「車の特徴として色が赤い」という説明もしています。

 これは、「教育用の形容詞」と和語の里は呼んでいます。
 また、文脈などによっては「比較用の形容詞」でもあるといえるでしょう。

▼おわりに

 今回のような文は、日本語ネイティブなら無意識に使っています。
 それも効果的に使っている人が多いです。

 しかし、自分が使っていたとしても、相手が使った場合に効果が理解出来ず、
🤔「え? "赤くない消防車"なんてあるの?」
 なんて、疑問を持ってしまう人がいます。

 この記事を読むことで【ふだん、自分が無意識に使っている用法を論理として理解できた】という人がいたのならば幸いです。


【記事編集用Link】
https://blog.hatena.ne.jp/peaceheart/onbin.hateblo.jp/edit?entry=820878482934761783

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