導き・導く＝道＋引き・道＋引く
「導き・導く」の語源については精選版 日本国語大辞典・岩波古語辞典などで「道引き・道引く」であるというのが確認できます。
精選版 日本国語大辞典「みちびく【導】」にて
＞＞「道引く」の意
岩波古語辞典(7刷発行)にて、
＞＞道引きの意。神仏など力のあるものや、事情に詳しいものが、様子のわからないものを引きつれて、望ましい方へ行かせる意
と語られています。
▼「ミチ(道)」は道路・歩道だけではない
「ミチ(道)」と聞くと物理的に歩く・車で走るなどの歩道・道路(車道)などを思い浮かべがちですが…
＞＞人の従い守るべき正しいおしえ。道徳などのおしえ。
＞＞ある目的や結果に行きつく道すじ。
＞＞事を行うためにとるべき筋道
なども「道」です。つまり、それらに進むため、それらに到達するために率いてあげることが「導き」といえるでしょう。
▼「引く」
なぜ「引く」なのかというのが 岩波古語辞典(7刷発行)の、「引きつれて、望ましい方へ行かせる」という説明でわかります。
【具体的な例を考えてみました】
・道からハミ出て危険な場所を歩く子供の手を 引っ張って道として歩くべき場所に移動する
・迷っている人を 案内して引き連れる(必ずしも手を取るわけではない)
▼1漢字化
「道引き」という考えで使われだした語が、「導き」と表記されだすことがあります。
「道・引」という2つの漢字だったものが、「導」という1つの漢字になることを 和語の里では「1漢字化」と呼んでいます。
▽みち(道)＝み(御)＋ち(路)
実は「みち(道)」も「み(御)」と「ち(路)」が合わさったものです。デジタル大辞泉（小学館）み‐ち【道／▽路／▽途／▽径】の説明で《「御(み)路(ち)」の意》とあります。
「御路」の1漢字化が「道」ということです。
いわゆる歩く場所・進む場所を指す要素は「ち」の部分だったんですね。
▼辞書データ
出典：デジタル大辞泉（小学館）み‐ち【道／▽路／▽途／▽径】
《「御み路ち」の意》
１ 人・車・船などが、往来するように整備された所。通路。道路。また、航路。「―を横切る」「―が混む」「船の通う―」
２ 目的の場所に至る経路や、その途中。途上。「帰る―で土産を買う」「駅へ行く―で知人に会う」「―に迷う」
３ 目的地までの距離。道程。行程。「町までは約二キロの―」「遠い―」
４ ある目的や結果に行きつく道すじ。「合格への―」「世界平和への―」「我が―を行く」
５ 物の道理。ことわり。また、人として踏まなければならないとされる行動の筋道。道徳。「―をあやまる」「人の―に背く」「―ならぬ恋」
６ 神仏の教え。特に、儒教・仏教などの教義。「法のりの―」「仏の―を説く」
７ 芸術・技芸などのそれぞれの分野。また、その精神真髄。「茶の―をきわめる」
８ ある特定の分野。専門の方面。「その―の大家」「この―一筋」
９ 事を行うためにとるべき筋道。手だて。方法。手段。「救う―がない」
出典：デジタル大辞泉（小学館）「導く」［動カ五（四）］
１ 道案内をする。案内して目的の所に連れていく。「車を迂回路に―・く」「客を席に―・く」
２ 正しい方向に手引きをする。指導する。「生徒を―・く」「神に―・かれる」
３ 物事がそうなるように働きかける。事柄をある方向へ動かす。「状況を有利に―・く」
４ 答えや結論を引き出す。「結論を―・く」「解決方法を―・く」
５ 男女の間を仲介する。手引きをする。「よに忘れず恋しくのみおぼえさせ給へるに、仏―・き給へるにこそありけれ」〈落窪・二〉
【記事編集用Link】
https://blog.hatena.ne.jp/peaceheart/onbin.hateblo.jp/edit?entry=26006613478030138
【KEYWORD ZONE】tng0mitibiku、tng0mitibiki、mitibiku、mitibiki、【”導く”と関係する作品】・月が導く異世界道中・TVアニメ『アイカツスターズ!』BGM集1年目 (onetrap/未来へ導くもの)
【”みちびく” データ化】
真語幹：MiTiBiK
活用ブレ：みちびく、ミチビク、みちびき、ミチビキ、みちびけ、ミチビケ、みちびいた、ミチビイタ、みちびいて、ミチビイテ、みちびこう、ミチビコウ
属性：1漢字化
