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ゎたし、〜だょ。などの小書きの仮名の効果。受け手の捉え方。【日本語】

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「ゎたしは楽しかったょ!」

 みたいな「ゎ」「ょ」の使い方を見たことありませんか❓

 TVなどが「若者文化の1つ」として紹介することもあるので、意外と見たことがある人は多いはずです。
 その多くは、若い女性が使っていると紹介されていたりします。
 そんな「ゎたし」「〜だょ」の表記の効果は何かという記事です。

 大前提として、仲間内や親しい者同士で使うことを想定した記事です。当然ですが、公文書・業務で取り扱う文書などで推奨するものではありません。

▼頭の「ゎ」・語尾「ょ」の読みは?

 このときの 小書きの"わ"である「ゎ」を 使っている人たちは、
「わたし」
「ゎたし」
 の読みを変えているわけではありません。

 「ゎ」と入力した際の感情は、「わ」と異なるので、イントネーションなどを含む発音は変わります。※詳しくは後述で。

▼頭の「ゎ」・語尾「ょ」の効果は?

▽見た目

 小さい文字のほうが 見た目の情報として、フワフワしたやさしい感じに見えます。
【A】たし
【B】わたし
【C】ゎたし
 のように比較するとわかりやすいですが、【A】のように大きいと圧力を感じたり、見た瞬間にうっとくる感覚があります。
 対して【C】は、控えめな感じに見えるし、重苦しさが緩和されています。

▽見た目の押し付け感

【A】これ楽しい
【B】これ楽しいよ
【C】これ楽しいょ
    ↑
 これらは、相手にオススメする際に「これ楽しいよ」と相手に伝える文です。
 比較すると、【A】は押し付け感が強く感じます。「ほら楽しいから、ねえねえ!」って感じで、相手がイヤな気持ちになりそうですね。
 見た目上で言えば、【B・C】は、【A】に比べると押し付け感が抑えられていると感じます。その中でも【C】は、その押し付け感をできるだけ、抑えようという気持ちもあるかもしれません。
 ある意味、謙虚な日本人的な用法とも言えますね。

▽想像する発音の傾向

 文字としての読みは、変わらずとも、文を読んだ側が想像する発音は変わります。
 「ゎたし」表記は、やわらかい発音を相手が想像します。やわらかい発音ということは、「やさしい」というイメージを相手が持ちやすくなります。
 また、本来小書きではない部分を あえて小書きで書くことで、小さい印象を与え、「通常よりも発音上の音も小さいもの」と読み手は想像するでしょう。
 人によっては、おしとやかさの演出で使っているかもしれません。

▽除外される発音

 どんな発音が除外されるかというと…
ゴツい発音です。

 「ゎたしは楽しかったょ!」という文を見て、野太い声で発音しているとは思いませんよね。
 同じく、怒ったようなトーンで発音しているとも思わないはずです。
 つまり、ゴツい発音全般を読み手の想像から除外することができるのです。
 何かの発音の種類を除外することで、読み手が想像する発音を書き手の意図した発音に導きやすくする効果がありますあ。

▼特殊な濁点の用法の逆とも言える

 今回の記事の「ゎ・ょ」などの用法は、特殊な濁点の用法の逆バージョンと言ってもいいでしょう。

https://onbin.hateblo.jp/entry/dakutenn_01kouka
【関連記事】え"っ!・あ"〜〜っ! などの創作物に見られる濁点の効果 (濁音化だけが効果ではない)【日本語と創作とナマリ】


 本来、濁点をつけない「わ」などに濁点をつけて「わ ゙」とすると、乱暴さ・力を込めた感じ・怒りなどの感情があるように受け手は捉えます。
 その逆で、小さい「ゎ」は、やさしい感じだと受け手が捉えるということです。

▼おわりに

 今回は「ゎたし」「〜だょ」に絞って取り上げましたが、他のギャル文字的なものも、調べてみると面白い効果が発見できると思っています。

【記事編集用Link】
https://blog.hatena.ne.jp/peaceheart/onbin.hateblo.jp/edit?entry=26006613667064651


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