和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

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え"っ!・あ"〜〜っ! などの創作物に見られる濁点の効果 (濁音化だけが効果ではない)【日本語と創作とナマリ】

▼特殊な濁点の実例

😠ばや"ぐじろ"ー!!
※漫画「ドラゴンボール」 キャラ「魔人ブウ」。

😭仲間がいる"よ
※漫画「ONE PIECE」 キャラ「ルフィ」。

😠地獄がねぇなら俺が作ってや゙る゙ァ゙ア!!
漫画「鬼滅の刃」キャラ「嘴平伊之助」。
   ↑
 今回の記事は、こういった特殊な濁点の用法の効果についての記事です。

▼濁点をつける効果

 実は、国語的なルールとしては「あ゛」「む゛」などは発音の決まりがありません。
 しかし、それでも使われるというのは、効果があるから濁点をつけているのです。そして、その効果を読み手の多くは、感覚的に実感していることでしょう。

たとえば、
「は や く し ろー!!」
「ば や"ぐ じ ろ"ー!!」

   ↑
 この2つの文字列を目にしたときに、焦っている状況・切羽詰まっている状況と感じるのは、どちらでしょうか?
 おそらく、9割以上の人が下の「ば や"ぐ じ ろ"ー!!」のほうだと答えるでしょう。それは、何かしらの印象の違いがあるということです。

▽深刻さ・焦りが増す

【驚いた際】
・えっ!
・え"っ!

 濁点がついた下の「え"っ!」のほうが気持ちとして、深刻度や焦りが増していると感じませんか?
 仮に使い分けしたとすると、「えっ!」は軽い驚きや嬉しい驚き、「え"っ!」は深刻さのある驚きになります。
※「えっ!」を「えぇぇぇぇぇっ!」などとして深刻さを増すこともある。
 また、最初に例に出した「は や く し ろー!!」を「ば や"ぐ じ ろ"ー!!」と表記するのも、焦りが増して、急がなければいけないシーンだというのが読み手に伝わりやすくなります。

▽感情の高まり

【漫画「ONE PIECE」のセリフ】
・仲間がいる よ
・仲間がいる"よ

 「ONE PIECE」のセリフ「仲間がいる"よ」の「る゛」は、感情の高まりを表しています。
 漫画内では、主人公が仲間を思い出して涙するシーンです。声の震えなどをイメージしやすく感極まっている感じを演出する濁点になっていると感じます。
※ちなみに、北海道新聞デジタル<こどもみなぶん>の【どうして「い」にてんてん(濁点)が付かないの? 日本語として表現する音がないから】でも、このセリフは取り上げられていました。リンク

▽痛み・声がハッキリ出せない状況

【痛みを感じていた際】
・あ 〜〜っ!
・あ"〜〜っ!
 
 下のように濁点がついたほうが、声を出す際に苦しんでいたり、声をハッキリ話せない人の話し方に見えます。
 普通であれば、人は なにか痛みを感じるようなときに、元気よくハキハキきれいな発音で声を出すことは しませんよね。
 「あ"〜〜っ!」と書かれていることにより「そのような苦しい状況で、発音したんだな」というのが伝わりやすくなるのです。

▽力強さ

【力を込める際】
・オラ〜〜!
・オ"ラ"〜〜!

 多くの人が、後者の濁点ありのほうが、"力を込めた描写"なのだと感じると思います。
 さきほどの、苦しみ・痛み・ハキハキ発音できない状況などとは矛盾するかもしれませんが、力強さを表すのにも濁点が使われます。

 これは、力を込める場合は、「いかに大きな声を張り上げるか」が重視されるためでしょう。
 目一杯力を込めている最中はキレイな発音を重視している場合じゃないのです。そして、ふだんより濁った発音になるので、その濁りの要素を濁点で表すことができます。

 また、力を込める場合には、食いしばったりもします。その場合は、「うお〜!」よりも「うお"〜!」のほうが 「食いしばって出した音」に見えると思います。

▽怒り

【怒った際】
・地獄がねぇなら俺が作ってやるァア!!
・地獄がねぇなら俺が作ってや゙る゙ァ゙ア!!

 鬼滅の刃のキャラのセリフですが、漫画では後者のように濁点がついています。
 濁点のつけたほうが、怒りの度合いの高さや、その怒りによる声のドスの聞いた感じが伝わってきます。

▽乱暴さ・品の悪さ

【上品なキャラが怒った際】
・ゆ る さ な い!
・ゆ"る さ な"い!

 もともと品の悪いキャラが濁点多めになるだけでなく、「ふだんは上品でおしとやかだが怒ると人が変わるキャラ」というのを演出するために、濁点をつけるという手法もあります。
 濁点をつけることで、乱暴さや品の悪さを表すこともできます。

▽疲れ・苦しみなどから開放されたとき

【疲れた体で風呂に入った際】
・あ 〜、い い 湯だ〜。
・あ"〜、い" い" 湯だ〜。

【仕事終わりのビールを飲んだ際】
・くぅ〜、体にしみる〜
・くぅ〜、体にじみ"る"〜

 仕事終わりなど、真面目な人間・しっかり者として振る舞う必要がなくなった状態がリラックスできる状態で開放感があります。
 そのときに、キレイに話そうとか考えず、むしろその逆に変な発音をすることで開放感を感じるという人もいます。
 その正しくない発音をして開放感を出しているセリフを表現するために、「体にじみ"る"〜」のようなセリフが生まれます。

 イメージとしては喉の奥から出すよう音で、普段の「あ〜」のようなキレイな音というよりも、奥底から出てきた濁った感じを読み手に与えます。

▽方言的なナマリ

【方言キャラのセリフ例】
・ア ギ ダ(秋田)さイ ッタ (行った)
・ア"ギ ダ(秋田)さイ"ッダ(行った)
   ↑
 創作物で田舎もんっぽいキャラクターが出た際に、濃いキャラ付けが重要視されるので、必要以上に濁音化させることがあります。それが、ふつうは濁点をつけない文字にもつける結果になっています。

 創作物は、ドラマ化・アニメ化などする可能性があります。ドラマやアニメなどは声がつきます。
 読者への印象だけでなく、予め「ア」や「イ」などに濁点をつけて「ア゛」「イ゛」とすることで、声あての際の発音を ある程度 声優・監督にイメージさせたりする効果もあります。

▽ナマリ感の統一

【方言キャラのセリフ例】
・花火の音にじゃわ め ぐ
・花火の音にじゃわ"め"ぐ
   ↑
 「ジャワメグ」は津軽弁で「ぞくぞくする、心騒ぐ、震える」を意味するそうです。
※参考「東北農政局」https://www.maff.go.jp/tohoku/nouson/kokuei/tugaru/news/2022/Vol.59.html

 青森県むつ市の会社である「株式会社大和海商」にて、【「じゃわめぐ」とは津軽弁で、”いてもたってもいられないような高揚感”のことを言います。「ざわめく」が訛った言葉ですね。】と語られています。参考:【記事URL】【WA】

 ナマリで「く」が濁り 方言化したと考えられますが、「わ・め」などは文字上では濁っていません。
 しかし、「じゃわめく」の「わ・め」の部分は東京人の「わ・め」と完全同一の音ではない可能性があります。
 濁音化された文字「わ゛・め゛」などは 日本語の国語ルールにありませんので、そういった「既存のルールでは文字として表せない発音」を表現するのにも使えます。

 また、「じゃわめぐ」よりも「じゃわ"め"ぐ」のほうが、方言キャラっぽさを出せるという考えを持って、そういう表記を使っている可能性もあります。
 これは、実際の方言が濁っているとか関係なく、その創作物におけるキャラ付けを濃くするためにも行われます。

▼特殊な濁点は別記事も書く予定

 この記事では「与える印象や効果」についてをメインで語りました。
 作成中の別記事では、「発音の傾向」について語りたいと思います。
 発音のルール自体は ありませんが、一定数の人がイメージする発音を傾向としてまとめようと思います。
 他にも濁点をムリヤリつける入力方法も記事したいと思います。
😠ばや"ぐじろ"ー!! 漫画「ドラゴンボール」485話?。
😭仲間がいる"よ 漫画「ONE PIECE」第590話
😠地獄がねぇなら俺が作ってや゙る゙ァ゙ア!! 漫画「鬼滅の刃」19巻?

【記事編集用Link】
https://blog.hatena.ne.jp/peaceheart/onbin.hateblo.jp/edit?entry=6801883189057926933

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