和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

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【ありがとう・感謝 part0】"ありがとう"の名詞用法。「ありがとうする」という日本語も使われることがある。


 まず、記事タイトルにある「ありがとうする」という言い回しが日本語にあるのか? という話ですが…

 

 結論、あります。

 

・感謝する

・ありがとうする

   ↑

 この2つを比べると、もちろん前者「感謝する」を見聞きすることが多いことでしょう。

 

 しかし、後者「ありがとうする」にも、よく耳にする場面があります。

 それが、

・親が子に向けて

・大人が幼子に向けて

 使う場面です。

 

 

▼「ありがとうする」の場面例

正月に親戚が、Aさんの子供「Bちゃん」に おとしだま を 渡す。

   ↓

おとしだま を もらったBちゃんは「やったー」と よろこぶ。

   ↓

そのあと、走り回って親戚にお礼を言っていない。

   ↓

先に親は親戚にお礼を言い、子供にお礼を促す。

「ちゃんと ありがとうするんだよ!」

 のような注意をする。

 

 上のようなヤリトリは なんとなく想像できると思います。

 また、実際に自分が体験した場面を思い出したかたもいると思います。

 

 

▼オトナが幼子に「名詞用法」で語るのは珍しくない

 先ほど 説明した「ありがとうする」が使われる場面ですが、この用法は「ありがとう」の「名詞用法」になります。

 名詞として使っているからこそ、「する」につながっているのです。 

※名詞「ありがとう」+動詞「する」=ありがとうする

 

 そして、オトナが幼子(おさなご)に向けて使うコトバとしては 不自然さがないと思います。それは 実際に使われていて その使われている場面に出くわしたか、自分が使っているからです。

 幼子に向けて語る場合、「ありがとう」の名詞用法は 特別珍しくもないということです。

 

 

▽「ありがとう」は辞書上で「名詞」と書かれていない

 辞書での「ありがとう」というコトバの説明には、「名詞」と明確に書かれているわけではありません。

※参照:精選版 日本国語大辞典デジタル大辞泉

 

🤔「なら、品詞は何よ?」

 😁「辞書上※では感動詞です。」

 だからと言って、名詞である可能性ゼロという話ではありません。

デジタル大辞泉には[感]マーク

・精選版 日本国語大辞典感動詞的にも用いる」という記述

 

 

▽「ありがとう」は形容詞であり連用形である

 「ありがとう」の辞書の記号的な説明では、デジタル大辞泉の[感]マークから感動詞としてか捉えられません。

 しかし、コトバの成り立ちも書かれており

形容詞「ありがたい」の連用形「ありがたく」のウ音便

 と書かれています。

 

 つまり、「ありがとう」は形容詞であり連用形であるということです。

 

🤔「へえ、でも まだ 名詞とは書かれていないんだ。」

 😁「ここで、思い出してほしいのは連用形名詞の形です。」

参考:https://onbin.hateblo.jp/entry/dic0rennyoukeimeisi1

   ↑

 上で紹介した記事でもまとめているように 連用形は名詞になります。

 一般的に伝わるかどうかとかではなく、文法上は名詞化できるという感じで考えてください。

 

 

 

出典:精選版 日本国語大辞典「かんしゃ【感謝】」

〘名〙 ありがたいと感じて礼を述べること。また、ありがたいと感ずる気持。

 

出典:精選版 日本国語大辞典「ありがとう【有難】」

(形容詞「ありがたい」の連用形「ありがたく」のウ音便) かたじけない、うれしく思うなど、相手に対する感謝の気持を表わす、挨拶のことば。感動詞的にも用いる。

 

出典:デジタル大辞泉小学館)あり‐がとう〔‐がたう〕【有(り)難う】 の解説
[感]《形容詞「ありがたい」の連用形「ありがたく」のウ音便》感謝したり、礼を言ったりするときに用いる言葉。ありがと。「おみやげ―」
[補説]丁寧に言うときは「ございます」を付ける。関西地方では「おおきに」。

【Links コトバンク感謝有難

 

 

 

 

▼おわりに「外国人への日本語教育

 こういった違いというのは「明文化」されていないことが多いです。

 明文化されていなくとも、日本人は場面ごとの用法を生活の中で積み重ねていくため、自然に使いわけられます。

 しかし、「日本語学習者(日本語圏外育ち)」の人たちは、日々の生活・これまでの人生で無意識に日本語の用法を積み重ねることは普通ありません。

 そのため、日本語学習者・・・・・・は日本人が"なんとなく"使い分けているコトバを、論理的に覚えなければ理解できないこともあります。

 そういった意味で この記事は とても有用な記事と言えます。

 

 

 

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