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連用形名詞 辞典風 の 説明【「連用+連用+する」「連用形+する」】

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🦊 こんにちは♪🦊

日本人は国語の授業において、終止形・未然形など教わります。そして、[連用形]は、特異な存在です。

 

連用形の特異性とは…「名詞的用法」としても 使われることです。

 

1つの動詞からなる連用形名詞】

 「ひかる(光る)」という動詞の連用形は「ひかり(光り)」ですね。この「ひかり」という言葉は、ヒカリ」という形で「名詞」として使っています(多くは無意識に覚える)。

※光=「光るものが発する輝き・明るく照らす光線」などを表す。

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今紹介したものは、「1つの動詞からなる連用形名詞」です。次に「2つの動詞からなる連用形名詞」を紹介します。

 

2つの動詞からなる連用形名詞】

 「貸し出しカ・ダ・」のように「貸しカ・」+「出しダ・」の組み合わせてを「名詞」として使っています。

例:探していた本は、すでに貸し出しされていた。

[貸す]という動詞の連用形「貸しカ・」と、[出す]という動詞の連用形「出しダ・」を 合わせたものなので、「2つの動詞からなる連用形名詞」です。

 

part1(辞典説明・Tag説明):Link part2:Link part3:Link

 

▼はじめに:連用形名詞の特徴

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 多くは「名詞・連用形どちらでも使うことが可能」です。

 

【名詞的用法】あの星の光はキレイだ。

【動詞的用法】あの星はキレイに光ります。

 

【名詞的用法】貸し出しする。貸し出しします。

【動詞的用法】貸し出している。貸し出します。

 

▼はじめに:連用形名詞の特徴2

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純粋な動詞の意味では使えなくなることも多い」です。その動詞の特性を持った物質・概念・サービスを指す言葉でしか使えないということ。

 

❌あの星は光する。

❌私の足がムクミする。

※動詞の純粋な名詞としては使えない。[あの星は光っている・私の足がムクんでいる]などの表現が一般的。

  

⭕貸し出しする。

※動詞としての意味で使える。英語で言う動名詞("〜ing"・"to 〜")のように使える。

 

 

 

▼はじめに:連用形名詞がつくる文

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🍅「名詞として使っている例」を 下に示します。

・〇〇する:着せ替えする

・〇〇をする:付け替えをする

・〇〇した:今月3回も釣りした

・〇〇をした:大昔の人は狩りをした

・〇〇が:笑いが起きる

・〇〇がある:彼には借りがある

・〇〇だ:趣味は人形の着せ替えだ。

・〇〇に:釣りに行く。

・〇〇しに:釣りしに行く。

・〇〇をしに:釣りをしに行く。

・〇〇です:これは大きな借りですね。

・〇〇と〇〇:借りと貸しをチャラにした

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このような形の[一部・全て]になれるのが連用形名詞。

 

※「連用形としての用法・名詞形としての用法」が区別しにくいものもあります。

※日本語においての漢語は、名詞として使われるのが基本なので、それと同じように使えるということです。詳しくは記事下。

 

 

 

▼「連用形名詞 Database」見方

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以下のようにDataをまとめています。

[A1]ひらがな;[A2]非ひらがな;[S]終止形;[T]タグ(Tag);[D]説明;[G]語源漢字

※ただし、「見出し作りが最優先」ということもあり、[A1]・[A2]にしか書かれていないDataも多くあります。※20210222

 

【表記例】

かたまり;塊・固まり;固まる;1knj;[固まる]の連用形[固まり]が[1漢字化]されたのが[塊]表記。;固まり

 

【調査中】

[A1]ひらがな;[A2]非ひらがな;[S]終止形;[T]タグ(Tag);[D]説明;[G]語源漢字

        ↑

このように打ち消し線があるDataは仮に入れているだけで、連用形名詞として使われているか未確認のものです。 調査したうえで、連用形名詞として現段階どうあがいてもありえない場合はtagに[ng]と入れます。

 

 

【Data 見方】

・[A1]ひらがな表記
・[A2]非ひらがな表記

カタカナ、漢字、交ぜ書きなど、ひらがな以外で書かれる場合が想定される表記を入れる。

・[S]終止形
・[T]タグ(Tag)

Tagになにが入っているかで、簡潔に特性や特徴を示します。各Tag の 意味などは、ページ下部の[Tag 説明]にて。

・[D]説明

意味や語源など

・[G]語源漢字

[連用形名詞の漢字表記]と[動詞で使う漢字表記]が異なる場合。そのため、「[S]終止形」と ほとんど同じ

 

part1(辞典説明・Tag説明):Link part2:Link part3:Link

 

 

▼Tag 説明※随時調整

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【1knj】

1漢字化されている表記があるもの。「固まり→塊」の 表記変化は、送り仮名[まり]が消えて[塊]の漢字を当てられて1漢字に集約している。

1漢字化されている漢字は、語源を見失うというデメリットがあり、安易にすべきでないというのは、私の考えです。

 

【da】

 [da]とは[〜だ]という形をとることです。このtagはそれだけでつけるのでなく、「〇〇する」の形はとらないが、「〜だ」の形はとるという言葉につけるTagです。

例:❌間抜けする。⭕間抜けだ。

[間抜け]自体は名詞化して使われている言葉ですが、[動作というより状態・性質を表す言葉]として使われています。

 

【desu】調整中

 [desu]とは[〜です]という形をとることです。このtagはそれだけでつけるのでなく、「〇〇する・〇〇だ」の形はとらないが、「〇〇です」の形はとるという言葉につけるTagです。

例:❌守りする。⭕守りだ。

[間抜け]自体は名詞化して使われている言葉ですが、[動作というより状態・性質を表す言葉]として使われています。

 

【dms】関連

 [dms]Tag名は、[動名詞-DouMeiSi]から。[dms]+[ok・ng]で使い分ける。以下参照。

【dmsok】

 例「貸し出しする。」

※動詞としての意味で使える。英語で言う動名詞("〜ing"・"to 〜")のように使える。ただし、図書館やサービスごとによって、[貸し出し(貸出)]自体を専門用語・固有の特徴を持つ固有サービスを指す場合もあります。

「動作」を表す連用形名詞であることが多い。

 

【dmsng】

 例「あの星は光する。」←単純に「rym+する」の形をとったら不自然になるもの。つまり、「動名詞(dms)としてNG=動詞を名詞化とたものとしては使えない」ということ。

※動詞の純粋な名詞としては使えない※使う習慣がない。[ひかり(光)]は、[光るという動作ではなく、光として発された物質を指すのに用いるのが普通]。

習慣がないだけで、連用形名詞用法が人気になれば、[光るという動作の意味]で使われるかもしれない。  

「状態・概念」を表す連用形名詞であることが多い。

 

josi

 [josiari]は、「〜する・〜した」などの形を取るときに、助詞「」つけることが習慣化している言葉。

例:[ボヤキする]は使われにくい表現。「」ナシの場合は不自然になる。「」アリの[ボヤキをする]は使われることがある。

20201221

"ボヤキする"約 350 件

"ボヤキをする"約 10,200 件

【kty】

 kty=「かつよう(活用)=KaTuYou」から。連用形名詞を連用形を別の活用(終止形・未然形など)に変えて使えるもの。

【ktya / ktyari】

 ktyari=「かつようあり(活用アリ)=KaTuYouARI」から。連用形名詞の活用があること。例「芽吹き→芽吹く」

【ktyn / ktynasi / ktyng】

 ktynasi=「かつようなし(活用ナシ)=KaTuYouNASI」から。連用形名詞の活用がないこと。連用形名詞の1つである「お手並み」は「お手並ま」「お手並む」「お手並め」などの活用をしない。

 
【old】 

 「御手並み(おてなみ)」に含まれる「並み(なみ)」は、現代で通じにくい言葉です。そういう言葉を含む言葉にタグ付けします。連語の中で使われていて、その連語は普通に現代でも通じる場合があります。
 

【ong】※[otkn]に移行中

 [お〇〇]という形にすると不自然な言葉につけるTag。[お-o]+[NG-ng]から。ただし、誰かしら使っていることがあります。

[駆け出し]に対する[お駆け出し]は、ほとんど使われていません。とき=20210222。

 

【otka・otkari】

[お-o]・[付け-tuke]・[アリ-ari]から、[otka・otkari]というTagに。[お〇〇]という形の使用例を確認できたら、付けるTagです。ただし、極めて少ない件数しかない場合は[ong]Tagにします。

 

【otkiru】

 [お-o]・[付き-tuki]・[いる(要る)-iru]から、[otkiru]というTagに。[〜する・〜になる]という形をそのままだと違和感があるが、[お〜する・お〜になる]という形なら聞き覚えがある言葉となる言葉。

例:△守りする。⭕お守りする

例:△起きになられる。⭕お起きになられる

 

【otkn】

[お-o]・[付け-tuke]・[ナシ-Nasi]から、[お〇〇]という形にすると不自然な言葉につけるTag。※誰かしら使っていることがありますが一般的ではないということ。

[駆け出し]に対する[お駆け出し]は、ほとんど使われていません。とき=20210222。

これについては、経験則からの予想が立てにくいです。[人に声を掛けるなどして関わる]の意味で使われる[からみ(絡み)]という連用形名詞を〝お絡み〟という表現で使う人もいます。

「"お絡み"約 12,000 件」とき=20210222

😎ということで、「〝お〟アリ」で使うことが、極めて少ない例があったら教えてください❗

 

 

【parts・part】

 連語のパーツとして使われる。[もめる(揉める)]の連用形「もめ」を 単独の名詞で使うことは少ない・習慣がない。しかし、[大揉め・揉め事]のように連語の連用形名詞ではパーツとして使われます。そういった言葉には[parts]tagをつけます。

 

【rng】※非推奨タグ、代わりに「rym」を使う

 [rng]は[連語-ReNnGo]から。[rng2]は[2つの言葉が合わさった連語]です。[rng1]は[非連語]ですが、なぜ[rng]Tagを用いるのかというと、覚えやすくするためです。

 

【rymr】

[rymr]は[連用形名詞の連語形-RennYoukeiMeisi no Renngokei]から。

連用形名詞が連語で構成されている場合。例:[手洗い]=[手]+[洗い]

【rymt】

[rymt]は[連用形名詞の単語形-RennYoukeiMeisi no Tanngokei]から。

連用形名詞が単語で構成されている場合。例:フリ(振り)

 

 

 

【senkyo】

終止形の意味そのままを名詞として使うことは、日本語の性質上可能ですが、「言葉の占拠」が なされている場合はそうはいきません。

[書き留め]は[書き留める]の名詞として使おうとしても、[書き留め・書留]という郵便サービスの存在のため、固有のサービス名としてか伝わらないということになっています。 

[dmsng]のTagと似た性質を持つ

 

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😀いかがでしたか♪

このDatabase(データベース)にある言葉を見たら、みなさんも、[無意識に使っている言葉]もあったハズです。

 

終止形が動詞の基本形として説明するのがわかりやすいため、辞書収録でも終止形が基本になっています。

しかし、ワタシ的には「言葉の本質は連用形にアリ」と 考えています。

 

これについては、いつか書く機会・ネタがあれば書く予定です。 

😋ではまた〜。

 

 ▼オマケ:漢語 vs 和語連用形名詞 比べ

🍅ちなみに、日本語においての漢語は、名詞として使われるのが基本なので、連用形名詞と漢語を比べてみると面白いです。

 

【和語の連用形名詞】付け替えする

【漢語】交換する

 

【和語の連用形名詞】付け替えをする

【漢語】交換をする

 

【和語の連用形名詞】お終いにする

【漢語】終了にする

※[お終いする]は使われにくいが、[終了する]は使われやすい。

 

【和語の連用形名詞】人の出入りがある

【漢語】人の出入がある

出典:デジタル大辞泉小学館

しゅつ‐にゅう〔‐ニフ〕【出入】 の解説
[名](スル)出ることと入ること。でいり。ではいり。また、出すことと入れること。だしいれ。「金銭の出入を記録する」「船舶が港に出入する」

 

▼補足:「連用形名詞」という見出しは辞書にナシ?

 辞書においては、「連用形名詞」という言葉で収録していません。辞書では「名詞法」という見出しで説明されています。

ただし、"連用形名詞"約 2,990 件なので、辞書に載っている"名詞法"約 2,000 件より多い結果となっています。

デジタル大辞泉の解説

名詞法(読み)メイシホウ@めいしほう ‥ハフめいしほう〔ハフ〕

動詞・形容詞の活用形を名詞として使う用法。「読み書き」「遠く(を見る)」のように連用形を用いることが多いが、「すま(争)う」の「すもう(相撲)」、「から(辛)し」の「からし(芥子)」のように終止形を用いることもある。

 

精選版 日本国語大辞典の解説
名詞法(読み)メイシホウ@めいしほう ‥ハフめいしほう〔ハフ〕

〘名〙 用言の用法の一つ。名詞として用いる場合をいう。通常、動詞の連用形にこの用法がある。「動く」の「動き」、「考える」の「考え」など。〔語法指南(1889)〕

 

▼補足:「連用形名詞」という呼び名以外も?

【"連用刑名詞"関係をGoogle検索20210222】

"連用形名詞"約 2,990 件

"動詞連用形名詞"約 2,160 件

"名詞法"約 2,000 件

"連用名詞"約 1,800 件

"連用形名詞法"約 75 件

"連用形名詞用法"約 9 件

         ↑

これらすべて[連用形名詞]を表す言葉として使われています。"連用形名詞"と"連用形名詞法"は、意識的に使い分けする場合もありそうですが。

ちなみに、辞書には[名詞法]として収録されています。しかし、[名詞法]では何がなんだかわかりにくいため[連用形名詞]を使う人が多いのでしょう。

ひとによっては、[動詞連用形名詞]の略として[動詞連用形]と書いている人もいるため、検索のランキングに入れようかと思いましたが、[単純に動詞の活用形の1つとしての連用形]というそのままの意味で使う記事が多いため参考記録

"動詞連用形"約 24,600 件は参考記録

 

part1(辞典説明・Tag説明):Link part2:Link part3:Link