上の「当用漢字音訓表 1947年仕様」を見て驚く人も多いでしょう。
なんと…
「体」の訓読みに「からだ」がありません。
※表のどこにあるか分からない場合
「体」に「からだ」の読みが加わったのは【常用漢字表 1981年仕様(昭和56年仕様)】からです。
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/14/tosin02/99.html
▼昔の「からだ」の表記
1309-10年頃「からだ」
※延慶本平家
1683年頃「からだ」
※雑兵物語
1763年「体(カラダ)」
※談義本・風流志道軒伝
1884年「体」
※怪談牡丹燈籠
1913年「肉体(からだ)」
※桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
▼カラダを「体」と表記するのは、遅くとも1763年
1763年の「談義本・風流志道軒伝」に「体(カラダ)」表記が 文の中に組み込まれています。
出典文などの情報のみにしか目を通していませんので、もっと早くから使われていたかもしれませんが、カラダを「体」と表記するのは、遅くとも1763年からされていることになります。
とはいえ、この「体(カラダ)」表記が1947年時点では一般化しなてなかったのでしょうか?
当用漢字音訓表 1947年仕様に「体」の訓読みに「からだ」が採用されていません。
※1947年は表記が出現していた1763年から100年以上たっていますが、採用されていないので一般化していなかったと考えられそうです。
▼漢語コンプレックス日本人は、カラダを「身体・体躯・肉体」などと漢語表記
日本人は「漢語コンプレックス・2字熟語コンプレックス」を持っている人が多いです。
試しに、ふりがな文庫で「からだ」の漢字表記を探してみると、大量に漢語表記・2漢字表記がありました。
https://furigana.info/r/%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A0
出典:ふりがな文庫“からだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
身体 48.2%
体 18.0%
躯 13.0%
身體 4.7%
体躯 3.2%
體 2.6%
身 1.7%
肉体 1.5%
躰 1.2%
身躰 1.0%
肉體 0.7%
體躯 0.6%
身躯 0.6%
体格 0.5%
躯幹 0.3%
骸 0.2%
健康 0.2%
五体 0.1%
肢体 0.1%
體質 0.1%
形態 0.1%
五躰 0.1%
体中 0.1%
体質 0.1%
体身 0.1%
体駆 0.1%
全身 0.1%
容體 0.1%
尊体 0.1%
形体 0.1%
死体 0.1%
病体 0.1%
病躯 0.1%
肉身 0.1%
裸体 0.1%
身内 0.1%
身分 0.1%
身骸 0.1%
躰躯 0.1%
遺骸 0.1%
骨格 0.1%
魚躰 0.1%
▼さすがに現代で「からだ」を「身体」と当て字するのはやめてほしいところ
▽創作物では「身体(からだ)」表記は問題なし
創作物で「身体(からだ)」と当て字するのは、ご自由にどうぞという考えです。
創作物同様に、個人Twitterや個人のブログ日記などで「身体(からだ)」表記も好き勝手使っても良いと思います。
ただし、「からだ」の国が定めた表記を知っている小学生が、
🤔「この人、カラダを体って書くこと知らないのかなあ?」
と思うかもしれません。
▽創作物では「身体(からだ)」表記は問題なし
当用漢字音訓表 1947年の時点ですら、「からだ」の漢字表記が定まっていなかったのです。
その時代であれば、「からだ」を「身体」と当て字するのはギリギリ許せるものでした。
現代は常用漢字表内の「体」の訓読みに「からだ」があります。
さらに、小学校という早い段階で「体」の漢字と「からだ」の読みを教わります。
そんな現代で「身体(カラダ)」の当て字をする人を見ると、いろいろと心配になります。
▽大手企業が、当て字に惑わされて「カラダショウガイシャ」なる用語
実際に「Goo-net(グーネット)」という企業も「身体障害者」を「カラダショウガイシャ」と読んでしまうミスをやらかしています。
https://www.goo-net.com/knowledge/11630/
【WA】https://megalodon.jp/2023-0506-2340-01/https://www.goo-net.com:443/knowledge/11630/
出典:グーネット自動車用語集
身体障害者標識(からだしょうがいしゃひょうしき)
▼辞書データ・リンクなど
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/syusen/tosin04/27.html
当用漢字音訓表 1947年(昭和22年)9月29日
精選版 日本国語大辞典「からだ【体・躰・身体】」
〘名〙
① 人や動物の肉体。
(イ) 「魂」を宿すものとしての肉体。頭、胴、手足のすべてを含めていい、失心・睡眠・放心などによって、一時的に意識を失った状態での肉体をもいう。
※石山寺本法華経玄賛平安中期点(950頃)三「若し相応の體(かラた)は、初の七は四薀を以て性と為」
※雑兵物語(1683頃)下「そなたのからだをたてにしてよかんべい」
(ロ) 死んで魂を失い、あとに残された肉体。しかばね。死体。
※延慶本平家(1309‐10)六本「はや此世にもなき人なり。空しきからだを此女房いだきて」
② 特に、胴体。動物の肉体の、胴の部分。
※談義本・風流志道軒伝(1763)四「体(カラダ)は日本人程なれども、足の長さ一丈四五尺なれば」
③ ①
(イ) の状態。体格、健康、身のありようなどにいう。
※怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一一「体を大事に厭(いとっ)て御奉公をし、丈夫で居ておくれ」
※焚火(1920)〈志賀直哉〉「何しろ身体(カラダ)がいい」
▼カラダと語源的関連性がありそうなもの
https://kobun.weblio.jp/content/%E3%81%8B%E3%82%89
学研全訳古語辞典「から 【殻・骸】」
名詞
①なきがら。▽魂の抜け去った後に残る肉体。
出典源氏物語 夕顔
「ただ今のからを見では」
[訳] 現在のなきがらを見ないでは。
②(虫などの)ぬけがら。
③殻。外皮。学研全訳古語辞典「から 【柄・故】」
名詞
ゆえ。ため。▽原因・理由を表す。
出典万葉集 三七九九
「己(おの)が身のから人の子の言(こと)も尽くさじ」
[訳] 自身のために、人なみにあれこれ言いはしますまい。◆上代語。
精選版 日本国語大辞典 「しんたい【身体】」
〘名〙 (古くは「しんだい」とも) 人間のからだ。肉体。体躯(たいく)。身(み)。しんてい。
※万葉(8C後)五・八〇〇・序文「意気雖レ揚二青雲之上一 身体猶在二塵俗之中一」
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二「身体(シンタイ)肥満の大娘(おほしんぞ)に」 〔戦国策‐楚策・襄王〕デジタル大辞泉 「しんたい【身体】」
《古くは「しんだい」とも》人のからだ。肉体。体躯たいく。身み。「身体強健」
▼記事内リンク用
当用漢字音訓表 1947年仕様の漢字の分類は、部位で分けられています。
「体」の漢字は「骨部」という部位にあります。
URL:https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/syusen/tosin04/27.html
【「骨部」に含まれる漢字】
「骨(コツ)」
「体(タイ)」
「體(ズイ)」
- ▼昔の「からだ」の表記
- ▼カラダを「体」と表記するのは、遅くとも1763年
- ▼漢語コンプレックス日本人は、カラダを「身体・体躯・肉体」などと漢語表記
- ▼さすがに現代で「からだ」を「身体」と当て字するのはやめてほしいところ
- ▼辞書データ・リンクなど
- ▼カラダと語源的関連性がありそうなもの
- ▼記事内リンク用
【記事編集用Link】
https://blog.hatena.ne.jp/peaceheart/onbin.hateblo.jp/edit?entry=4207575160646637722
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