※下の会話は、いじめっ子の生徒Aに先生が注意・説得している場面です。
先生😀「Aさんは、"ヒト"の悪口が多くみえます。"ヒト"のいいところを見つけるのが大事ですよ。」
生徒A😕「先生! 私は自分という"ヒト"のいいところを知ってます。それはすでに〝ヒトのいいところを見つけてる〟ってことではないのですか?」
↑
この生徒Aの言い分は…
○ 正しい?
☓ おかしい?
▼「生徒Aの言い分=おかしい」
多くの人は「生徒Aの言い分=おかしい」と感じるハズです。
というのも、『
「自分以外の世界中の人」
を対象に用いるというのが一般的な用法だからです。要は「人(ひと)」で「他人(他人)」を対象とするということ。
▽そんなの小学生でも知ってるんじゃ?
「人のために」
「人助け(人を助ける)」
「人のせいにする」
これらの言葉は小学生でも知っており、この『
むしろ、生物学・人類史などの話をする以外で、『
※この「自分」は「反射代名詞」としての自分。
▼実際に見聞きする「他人」の多さ
▽Youtubeの動画・テレビ
「人のために」
「人助け(人を助ける)」
「人のせいにする」
↑
さきほどの、「自分以外の世界中の人」を指して使われる3つの言葉ですが、これらの「人」を「他人」にして使っている人が非常に多いのです。
※それが間違いという意味ではなく、「人」でもよいということ。
Youtubeの動画のいろんな人の話しぶりを見ていると、
「他人のために」
「他人を助ける」
「他人のせいにする」
という言い方をしている人が、結構多く目につきます。
▽文字としての使用量も多い
「他人のために」
「他人を助ける」
「他人のせいにする」
という表現が、どの程度ネット上で使われているかを調べてみました。
【ひと】
20211221
"人を助け"・約 12,400,000 件
"他人を助け"__約 1,950,000 件
"ひとを助け"・_約 386,000 件
Yahoo!リアルタイム検索 30日分@20211221
"人を助け" -他人_8,364件
"他人を助け"・・・412件
"ひとを助け"・・・119件
特記:
マイナス検索で「 -他人」を入れているのは、「他人」の中に「人」が含まれているので、「人を助け」で検索すると「他人を助け」も検索で拾ってしまう恐れがあるため。
【ひと】
20211221
"人のせいに"・約 5,610,000 件
"他人のせいに"約 1,020,000 件
"ひとのせいに"__約 309,000 件
Yahoo!リアルタイム検索 30日分@20211221
"人のせい" -他人_30,844件
"他人のせい"・・_8,037件
"ひとのせい"・・・699件
【ひと】
20211221
"人のために"_約 212,000,000 件
"他人のために"約 15,600,000 件
"ひとのために"__約 9,360,000 件
特記:
マイナス検索「"人のために" -他人」で検索すると、約 180,000,000 件なので、減るが、"他人のために"約 15,600,000 件よりもずっと多い。
Yahoo!リアルタイム検索 30日分@20211221
"人のために" -他人_47,993件
"他人のために"・・_8,621件
"ひとのために"・・・862件
「人」には及ばなくとも、多くの人が使っているのがわかりました。
▼「ひと」で言いところでも「たにん」
「ひと」で言いところでも「たにん」で言い表している記事タイトルを検索してみました。
Stray Kidsチャンビン「他人に言えないことをさらけ出すことも」辛い感情を曲にする意味<「Scars」インタビュー連載> - モデルプレス
https://mdpr.jp/k-enta/detail/2890479
【EXIT 兼近が回答】Q.他人と比べてしまう「表側だけを見てすべてわかった気になってはいけない」(集英社ハピプラニュース) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ea2f0c97010b811d785a9a0243afcb06f9ea30a
「他人が好きなものをディスらない」でオタク文化はより豊かに。宇垣美里×荻上チキ【インタビュー】 8枚目の写真・画像 | アニメ!アニメ!
https://animeanime.jp/article/img/2019/07/30/47266/244441.html
↑
このように、「人」ではなく「他人(たにん)」と表さないと、「自分以外の世界中の人」を表せないと思い込んでいる人が年々増えている。という状況になっています。
▽「他人」じゃなきゃいけないという思い込み
😡「うるさいうるさい! "他人"って書かなきゃ通じないんだよ!」
↑
このように、「私が"他人"と書いているのは意図があるんだ!」という考えの人もいて、「他人」と書かなきゃ通じないという思い込みが見えます。
その思い込みを消すために、先程のタイトルを「他人→人(ひと)」で置き換えてみましょう。
・「人に言えないことをさらけ出すことも」辛い感情を曲にする意味
・Q.人と比べてしまう「表側だけを見てすべてわかった気になってはいけない」
・「人が好きなものをディスらない」でオタク文化はより豊かに。
↑
はい、全く問題ありません。
▼「たにん」を使うべきところで使ってる例
では、逆に「ひと」で言い表すと不自然だったりするため、「たにん」で言い表すべきところで、しっかりと「他人」を使っている記事タイトルを検索してみました。
知り合いの知り合いは他人(~_~;) | みんなの趣味の園芸(NHK出版) - 森のはっちゃんさんの園芸日記 882601
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_mo_diary_detail&target_c_diary_id=882601
↑
この記事は、「知り合い」と「知り合いの知り合い」を比較するために「他人」を「赤の他人」に近い意味で使っています。
自分以外の人間である「知り合い」も広義で言うと「他人」になってしまうところですが、比較対象を強調しているため、「他人」を狭義の意味での「赤の他人」であることがわかります。
CiNii 論文 - インタビュー 私が見ている「赤」色は、他人が見ても「赤」なのか? : 認知神経科学から考える多次元性の重要さ
↑
これは神経科学の話で、タイトルだけ見て判断できる部分で「何かしらの研究」と考えられます。人間の生物的研究というのは、自分も含めた人類としての「人(ひと)」を対象にすることが基本です。
置き換えると【「赤」色は、人が見ても「赤」なのか?】となります。置き換えた場合、 自分も含めた人類としての「人(ひと)」を対象と読み取るのが普通になります。
しかし、そういう研究ではなく、【私が見ている「赤」色は、他人が見ても「赤」なのか?】という投げかけなので、「自分」と「自分以外」を分ける必要がある。そのため、「人」「人間」でなく「他人」が、このタイトルには適正なのだと思います※。
※実際に論文を読んでいないので、内容の解釈と間違ってるかもしれないが、タイトルから読み取れる情報で考えたらこうなるという話として考える。
▼終わりに
日本現地原産の「人(ひと)」という表現が、「多くの日本人にとって難しい言葉」になってしまっているようです。まあ、実際難しい言葉です。
別の記事で、「人(ひと)」を使う機会が減っているワケをまとめていこうと思います。
kw:【人・他人 問題】、【人・他人問題】、人他人問題、ひとたにんもんだい、ひとたにんもんたい、ヒトタニンモンダイ、hitotaninnmonndai、hitotaninmondai