和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

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【=鬼滅の刃=】”ヤイバ”の語源は[焼いた刃]【刃の語源※出典あり】

★ヤイバ語源は"焼いた刃"、つまり”焼き刃”★

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[根源] やきは→[濁音化] やきば→[イ音便] やいば

刃とは「焼入れした刃(は)」です。その焼入れとは刀作りにおいて『高温に加熱し水や油などに入れて急激に冷却し鋼の硬度高め・波状の模様を入れる・模様そのもの』の意味

 

 

 

刃とは?【語源の明記】

【やいば-刃 意味】
(学研全訳古語辞典:https://gakken-ep.jp/extra/gakkou-saiyo/high_dictionary/1230388600.html)
名詞
A:刀剣類の、焼き入れをした刃。また、その上に生じた波状の模様。
B:刃物・刀剣の類の総称。
C:鋭いものや、威力のあるもののたとえ。出典平家物語 五・文覚荒行「飛ぶ鳥も祈り落とす程のやいばの験者(げんじや)とぞ聞こえし」[訳] 飛ぶ鳥も祈り落とすくらいの威力ある修験者と評判だった。

◆「や(焼)きば(刃)」のイ音便。

 

  【日本刀】より一部引用

(世界大百科事典 第2版:http://www.heibonnotomo.jp/goods+index.id+2.htm)

(2)刃文 刃部の灰白色にみえるところは焼きを入れた結果できたもので,これと地との境目は白くはっきりと浮き出ている。これを刃文(焼刃)という。 

 

 

古語辞典の「やいば-刃」の説明には[やいば]の語源が[やきば]だと書かれていますね。また、「刃文(焼刃)」と辞書にあることから、刀の模様や模様付けのことを「刃文(はもん)」とも呼ぶ。

 

▼「刃」はもともと「な」だった

デジタル大辞泉小学館)によると〝「な」は「刃」の古語〟と説明されています。

 

▼かたな(刃)=かた(片)+な

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デジタル大辞泉小学館)によると、「かたな(刀)」の語源〝「かた(片)+「な」と説明されています。

 

 

出典:デジタル大辞泉小学館

かた‐な【刀】 の解説
《「かた」は片、「な」は刃の古語》

1 武器として使った片刃の刃物。

2 江戸時代、武士が脇差 (わきざし) とともに差した大刀。

3 太刀の小さいもの。

「我は元より太刀も―も持たず」〈太平記・二〉

4 小さい刃物。きれもの。

「紙をあまた押し重ねて、いと鈍き―して切るさまは」〈枕・二五九〉

 

 

 

【刃の字移り】

出どころが見つからいため考察しました。

・[やいば]という発音が[焼き]を連想しにくい

・木刀など実際に焼かない[刀類]もある

        ↑

このことから[焼]の字を使うと紛らわしいと思った人が[刃]1字で[やいば]と読ませようとしたのではないでしょうか?

※[刀]1字で[やいば]と読むのは常用漢字表外です。

 

 

[やきば]の発音が残っていた!

[やいば]と発音するのが一般的になっていますが、[やきば]の発音はコトワザ(慣用句)の中に残っていました。そして意外と耳にしたことがある言葉です。

【つけやきば(付け焼き刃・付焼き刃) 意味】

(三省堂 大辞林 第三版:http://www.sanseido.biz/)

〔鈍刀に鋼はがねの焼き刃を付け足したものをいうところから〕
一時の間に合わせに、にわかに覚え込んだ知識や技術。 「 付け焼き刃の知識」
  

 

 

 

 

 

 

<”鬼滅の刃”の表記ブレ>

鬼滅の刃、きめつのやいば、キメツノヤイバ、kimetunoyaiba、kimetsunoyaiba

 

※1:イ音便

みなさんが使っている言葉で「焼き肉・焼きます・焼いた」などの言葉がありますが、もともとは[焼いた]も[焼きた]です。しかし、使ってくうちに発音のしやすさの関係で[やいた]という発音になり、その発音が一般的に許容されてます。