和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

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カキツケバナ(書付花)→カキツハタ→カキツバタ(燕子花・杜若)。【日本語の花名・語源・かきつはた・かきつばた・かきつけばな】

カキツバタの語源

 花の名で知られる紫色の花「カキツバタ」ですが、語源は 意外と知られていません。
※別表記「燕子花・杜若」。

▽まず 変化の流れから

カキツケバナカキツハタカキツバタ
 このような音変化によって、カキツバタという花名になりました。※出典

▽大本の「カキツケバナ」って何?

 そして、大本の「カキツケバナ」とは、
書き付け(かきつけ)

花(はな)

 から、構成される「カキツケハナ」が連濁して「カキツケバナ」となった語です。

 何の花かというと…
 【花の汁で布を染める際に用いた花】
です。

 ただし、「書き付け(かきつけ)」の意味と「花(はな)」の意味を そのまま足す場合、「布染め」の意味では ありません※詳しくは記事の続きで。

【音変化の出典】

精選版 日本国語大辞典 「かきつばた【燕子花・杜若】」にて
>>和名は書付花(かきつけばな)の変化したもので、昔は、その花の汁で布を染めたところからいう。

精選版 日本国語大辞典 「かきつばた【燕子花・杜若】」にて、
>>古くは「かきつはた」

▽「書き付け(かきつけ)+花(はな)」の意味を単純に足すと

 カキツケバナの「かきつけ(書き付け)」とは、文字などを書きしるすことです※出典
 これをもとに「カキツケバナ(書き付け花)」を そのまま解釈したら、「文字を書き記すための花」になります。
 
 しかし、「花の汁で衣を染める際に用いた花」を「書き付け花」と呼んでいたんですよね、「布染め花(ヌノゾメバナ)」などのほうが分かりやすいとは思いますが(笑)。

▽なぜ、「書き付け花」で布染めの意味に?

 情報が見つかりませんので、一般的な言語の意味変化をもとに推測してみます。

 「書く」というと、筆書きが存在します。そして、筆書きというのは、「墨汁に筆を染み込ませて、紙に その墨汁で書く」のです。
 それは、「紙という布に 書くことで染めている」とも言えるのではないでしょうか?

 まあ、あくまでも推測です。

【カキツケの出典】


精選版 日本国語大辞典 「かき‐つけ【書付】」の意味①にて「文字などを書きしるすこと。また、その書きしるした文字や文書。」とある。
※その他 多くの意味があるので、自分の目で確かめてください(君の目で確かみてみろ)。「https://kotobank.jp/word/%E6%9B%B8%E4%BB%98-459748

▼オマケ 今の時代にカキツバタが見つかったら…

 今の時代にカキツバタが見つかったら、「紫菖蒲(シショウブ)」みたいなツマラン名前になっていたかもしれません。
 戦後以降の現代は、名前をつける際に特に面白みもなく、漢字をつなげた漢語で命名した気になっている例が多いです。
 和語のように、いろんな変化をたどったり、用法などから命名するなどの面白みがあるほうがいいと思います。

【いろんな変化】カキツケバナ→カキツハタ→カキツバタ
【用法での命名】布染めという用法があり、それを「書き付け」として、カキツケバナとする

【記事編集用Link】
https://blog.hatena.ne.jp/peaceheart/onbin.hateblo.jp/edit?entry=6801883189050994233

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