和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

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【情けない 語源】情け無い=風情がない→見るにたえない→みじめ

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【〝情けない〟の由来】風情がない→見るにたえない→みじめ



[情けない]の本来の意味[風情がない・思いやりがない]などの意味です。それが、なぜ[みじめ]などの意味で用いられるようになったのかというと、

 

(古語の意味)風情がない

※見ていて美しさがない

        ↓

(意味の拡大)見るにたえない

※見ても心地よくなく、見てられない

        ↓

(現代の意味)みじめ

※見苦しい

 

このような変化をたどっていけば、つじつま が 合います。

 

 

 

”情け無い”の意味

【古語の”情け無し(情け無い)”】

(学研全訳古語辞典:https://kobun.weblio.jp/)

①思いやりがない。薄情だ。つれない

②風情がない。興ざめだ。無風流だ。

注意現代語の「情け無い」とは意味が異なる。

 

【現代の”情け無し(情け無い)”で追加意味】

(出典 デジタル大辞泉@小学館:https://daijisen.jp/digital/)

2 同情の余地がない。嘆かわしい。「―・い成績に終わる」「優柔不断な自分が―・い」

3 みじめである。見るにしのびない。「ずぶぬれの―・い姿」「―・い声で訴える」

 

【”情けなし(情けない)”の構成】

[情け]=[思いやり]などの意味以外にも[情趣・風情・趣]の意味もある

[なし(ない)]=ないことを意味する

        ↑

合わせて”思いやりがない・風情がない”の意味

[風情]の意味は現代ではあまり使う人がいないので忘れがち。

 

 

他人の誤用には優しい目で

このように、”元々とは意味が離れ・拡大解釈された言葉”はたくさんあります。その”元々とは意味が離れ・拡大解釈された言葉”を使わないで生活することは不可能に近く、他人の誤用に厳しい人もそんな言葉をたくさん使っていることでしょう。誤用に対してキツくいいがりする日本語マウンターを減ればコミュニケーションに積極的になれる社会に近づくことでしょう。