
【前回の記事】
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前回の記事で、
1「一重(ひとえ)」・2「二重(ふたえ)」・3「三重(みえ)」・5「五重(いつえ)」・7「七重(ななえ)」・8「八重(やえ)」・9「九重(ここのえ)」
は、辞書に載っているのに【4「四重(-え)」・6「六重(-え)」】は 載っていないということを書きました。※見出しとして。
今回の記事は「四重(-え)」「六重(-え)」が どう読まれているかを調査する記事です。
「よつえ」なのか「よえ」なのか?
「むつえ」なのか「むえ」なのか?
▼「四重(-え)」を どう読む?
調べてみた結果の使用例を下に並べていきます。
【「四重=よえ」 地名「四重麦〜(よえむぎ〜)」】
【「四重=よえ」 花火の玉名「四重芯」】
【「四重=よつえ」 人名「ヨツエ」さん】
【「四重=よえ」 部位「四重まぶた」】
【「四重=よつえ」 部位「四重まぶた」】
【「四重=よえ」 複合「三重四重」】
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この例を見ると、「よえ」が4例・「よつえ」が2例です。パっと見て「よえ」が多いですね。※「四重(-え)」が使われている例の詳しい情報・参照URLなどはページのあとの方で説明いたします。
また、注目したい点として、「四重まぶた」は2つ読み方が出てきたところです。
【「四重=よえ」 部位「四重まぶた」】
【「四重=よつえ」 部位「四重まぶた」】
▽四重まぶた=よえまぶた? よつえまぶた?
【「四重=よえ」 部位「四重まぶた」】
【「四重=よつえ」 部位「四重まぶた」】
これらは、固有名詞・1つの言葉として認識・使用されているというよりは、自分の脳内にあるコトバの知識によって導き出して用いたコトバと言えます。
「四重まぶた」の2つの読み方が定まっていないのは、先に述べたように「四重(-え) 」が辞書に収録されていないからと考えられます。
辞書という見本となるものがない場合、己々の経験・知識から読みを推測して使うことになります。
【四重まぶた=よえまぶた】
これは、「二重まぶた(ふたえまぶた)」「一重まぶた(ひとえまぶた)」などから推測した読みと思われます。特に同じ部位に使う言葉として「漢数字+重+まぶた」のときは、漢数字部分の読みを素直に訓読みしていると脳が判断して、「四重まぶた」を「よえまぶた」と読んだのでしょう。
【四重まぶた=よつえまぶた】
では、なぜ「よつえまぶた」と読む人も出るのか考えてみると、
・「五重(いつえ)」という言葉の存在
・「四重」を「よえ」と 読むと「物足りなさ」を 感じるから
の2つが考えられます。
・「五重(いつえ)」という言葉の存在
「五重(いつえ)」の「つ」に つられて「よつえ」としたのかもしれません。
・「四重」を「よえ」と 読むと「物足りなさ」を 感じるから
辞書に載っている下のものは、3・8以外は「ひらがな3文字以上の音」です。
1「一重(ひとえ)」・2「二重(ふたえ)」・3「三重(みえ)」・5「五重(いつえ)」・7「七重(ななえ)」・8「八重(やえ)」・9「九重(ここのえ)」
そのため「四重」を「よえ」という「ひらがな2文字の音」にすると物足りなさを感じるのかもしれません。その感じから無意識に「つ」を 付け加えるというのがありそうです。
【「四重=よえ」 複合「三重四重」】
これは、「三重四重」というコトバがあるかどうか関わらず、言葉の複合によって文で使われたものと考えられます。
「2・3個」というコトバを耳にしたことや使ったことがある人が多いと思いますが、そのコトバを知っているからこそ「3・4個」「7・8個」というコトバを初めて耳にしても、意味を把握できます。これも同じく、"数字"のあとに一つ数を増やした"数字※"を使って表しているものです。
※漢数字を含む。
▼「四重(-え)」の 使用例を細かく見ていく

【「四重=よえ」 地名「四重麦〜(よえむぎ〜)」】
産経ニュースにて「宮城・丸森の採石場で岩盤掘削作業中に落石、1人死亡」という記事がありました(2014/9/5)。記事の文章の中で、地名が書かれており「四重麦五(よえむぎご)」と書かれています。※参照:https://www.sankei.com/article/20140905-N3KTI6NV3JO4DJRNLWKQNLQHVU/
宮城県伊具郡丸森町に「四重麦五」という地名があり、他にも調べてみると、
など1〜7が見つかりました。どれも【四重麦(よえむぎ)+漢数字】からなる地名です。読み方にブレはないと考えて、これら地名の「四重」は「よえ」読みと思われます。
【「四重=よえ」 花火の玉名「四重芯」】
雑学の祭典実施中というブログの「花火では八重芯(やえしん)より三重芯(みえしん)の方が凄い?では四重芯(よえしん)は?」というタイトルを見ての通り、「四重」を「よえ」と読ませています。
「芯入り」という花火の種類の呼び方として、「八重芯(やえしん)、三重芯(みえしん)、四重芯(よえしん)、五重芯(ごえしん)」があります。
url「ryotin.work/花火では八重芯(やえしん)より三重芯(みえし/」
読み方参照「BS-TBS 未来へのおくりもの」
そして、Google IMEで「みえしん」「よえしん」「やえしん」は第一変換候補で、「三重芯」「四重芯」「八重芯」と変換できます。「ごえしん」は一発変換できません。※20220210確認。
【「四重=よえ」 部位「四重まぶた」】
HKT48 teamHというグループで活動している「豊永 阿紀」という方は、Twitter上で「@aki_toyonaga」というアカウントでの投稿しています。
その中で、「四重瞼」と投稿していて、「四重(よえ)瞼」のようにルビフリをしています。
ついに四重(よえ)瞼 pic.twitter.com/oXEkFajtJl
— 豊永 阿紀 (@aki_toyonaga) 2019年3月2日
https://twitter.com/aki_toyonaga/status/1101827984145580034
【「四重=よつえ」 部位「四重まぶた」】
さきほどのTwitter投稿とは、別の人のアカウントでも、「四重瞼」と投稿がありました。しかし、こちらは「四重(よつえ)まぶた」とルビフリをしています。
右目だけ四重(よつえ)まぶたになるんちゃうかっていうくらい痙攣してる
— ひーはー (@ebnhhr) 2021年1月8日
https://twitter.com/ebnhhr/status/1347556964792901633
【「四重=よつえ」 人名「ヨツエ」さん】
『本城直季 おもちゃな高知』おんちゃん、もう行きなよ | 高知新聞の記事で「刈谷四重」さんという92歳の方のことが書かれています。そこでのルビフリは、「四重(よつえ)」となっています。
参照:https://www.kochinews.co.jp/article/detail/457908
【「四重=よえ」 複合「三重四重」】
1989年に第1刷が発行された「宮本武蔵:05 風の巻」は、青空文庫「吉川英治 宮本武蔵 風の巻」で確認できます。そこでの「三重四重」のルビフリは「みえよえ」と なっていました。
参照:ふりがな文庫。
https://furigana.info/w/%E4%B8%89%E9%87%8D%E5%9B%9B%E9%87%8D
木の根に縛られている又八と、その又八を三重四重(みえよえ)に黒々と取り巻いて、彼の肉片でも要求しているような群犬の旋風(つむじかぜ)である。
出典:宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
▼Googleでの検索結果の数は?

20220210 Google
"四重" "よえ"約 1,120 件
"四重" "よつえ"約 32 件
"四重" "よんえ"約 13 件※実質0件。
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上の結果のように、「よえ」読みが件数としては多いです。「四重芯(よえしん)」という花火用語での使用例が多いというのもあります。
しかし、これは単純な検索結果です。これを条件を変えて検索したものや、結果について考察を載せているのは別記事です。
4つ重ねの意味で「四重」と言い表す場合に、どちらの読みが優勢かとはまでは、今の所は断定しにくいものです。
▼おわりに
個人的には、読みの正しさは決められませんが、法則性で言うと「よえ」読みが法則に則ってます。ただし、今の時点では「よつえ=間違い」とは断言できません。
また、「よつえ」という響き自体は耳さわり良きものなので、使う人もどうせなら読み違いが起きないように、「
四重が使われている文献
https://kotobank.jp/word/%E7%9B%B8%E5%A5%BD-552210
相好
※源平盛衰記(14C前)二四「八万四千の相好(サウガウ)は、秋の月四重の雲に隠れ」 〔無量寿経‐上〕
https://kotobank.jp/word/%E7%8E%89%E5%9E%A3-562692
玉垣
※米沢本沙石集(1283)一「四重の万だらをかたどりて、玉がき・水がき・あらがきなむど重々に」
▼「よつえ・よえ」でない読み
デジタル大辞泉「しじゅう【四重】」
1 四つ重なること。また、四つ重ねたもの。
2 《「四重禁」「四重罪」の略》仏語。4種の重罪。殺生・偸盗ちゅうとう・邪淫・妄語。
このように、辞書には「シジュウ」という読みの語も立項されています。また、「ヨンジュウ」という読みで「四重」が使われることも多いです。
・計画性がないため、四重(よんじゅう)に予定が重なった。
・ものが二重三重四重(にじゅうさんじゅうよんじゅう)にも見える。
kw:
kw:かずことば、かすことは、かづことば、かつことは、kazukotoba、kadukotoba、数言葉、かづ言葉、カズコトバ、カヅコトバ
書き手用チェックリスト:
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