▼無意識に冷遇の対義語として「優遇」を使用
我々が「冷遇」の対義語として無意識に出るコトバは「優遇」です。また、周囲の人々も「優遇」を使われたことに、何も違和感を持ちません。
しかし、時折、こんな疑問を持つ人もいるでしょう…
🤔「〈冷遇〉の対義語は〈温遇・暑遇・熱遇・暖遇〉じゃないのか?」
※こう思う人が多いのは、「冷」の対義関係の漢字に「温・暑・熱・暖」が存在するためです。
▼「冷遇」の対義語
▽一般的な「冷遇」の対義語
冒頭でも書きましたが、一般的な「冷遇」の対義語は、「優遇」となっています。
【優遇(ゆうぐう)】
手厚くもてなすこと。また、よい待遇をすること。
出典:精選版 日本国語大辞典、出典:デジタル大辞泉。
▽対義語を考えるうえで漢字の意味を見る
漢字ペディアで「冷」の意味を調べると、複数の意味が見られます。
①ひえる。ひやす。つめたい。
②心がつめたい。情がうすい。
③おちついたさま。
④さびしい。活気がない。
意味②を見れば分かる通り、「心が冷たい」の意味を含んでいます。これは、「冷遇」で使われている意味と考えられます。
「冷+遇」
↓
「心が冷たい+待遇」
※つまり、「心が冷たい(人が行う)待遇」
「冷遇」の対義語を考えた場合、「心が冷たい・情がうすい」などの対義となる表現で考えるべきでしょう。
▽「心が冷たい」の対義と考えれば「優」
「心が冷たい」の対義となる表現は、「心が温かい(優しい)」ですね。そして、「心が温かい」を漢字で表すとなると「優」になります。これこそ、「優遇」に使われている「優」です。漢字「優」は、「やさしい・手厚い・情け深い」の意味を含みます。※その他の意味については、ページ下部のオマケにて。
記事の上部で説明した通り、結局のところ「冷遇」の対義語は意味的にも漢字的にも「優遇」で良いという結論になりました。
▼冷遇の対義語を「温遇・暑遇・暖遇・熱遇」と考えてしまうわけ
先程の説明で、「冷遇」の対義語は意味的にも漢字的にも「優遇」で良いという話をしましたが、多くの人が冷遇の対義語を「温遇・暑遇・暖遇・熱遇」と考えてしまうのも仕方のないことです。
▽先に考えるがちなのは物理的な意味
思考の流れとして多いのは比喩的な意味・概念的な意味よりも先に物理的な意味が先に思い浮かぶことでしょう。
まず、「冷」という漢字を見たときに、多くの人が最初にイメージするのが、「ひえる・ひやす・つめたい」などの物理的な意味だと思います。そして、対義語を考える上でも、「物理的な『ひえる・ひやす・つめたい』」を起点で考えがちです。
そのような思考の流れがあるからこそ、対義関係を思い浮かべる際にも、「物理的な『ひえる・ひやす・つめたい』」の対義関係の漢字である「温・暑・暖・熱」などを選びがちなのです。
その結果、冷遇の「冷」と入れ替えて、「温遇・暑遇・暖遇・熱遇」を対義語として思い浮かべて、「冷遇↔優遇」の対義語関係に疑問を呈する人が出るのです。
▼不統一に見えて不統一ではなかった
今回の記事を書き始めたときに、冷遇の対義語が「温遇・暑遇・暖遇・熱遇」ではないから、不統一であるという記事にしようかと考えて書き始めたのですが、「冷」の漢字の意味を調べて考えた結果、「冷遇↔優遇」の対義語関係は統一性があるという判定になりました。
このように、調べて考えることによって、「先入観による誤認」が解消されることもあるので、記事を書くというのは自分のためになるのだと、改めて思いました。
▼おわりに
冷遇で使われている「冷」の意味を、「物理的な『ひえる・ひやす・つめたい』」と考えるのが間違っている。
というのが伝われば、この記事を書いた意義の大半は伝わっています。とはいえ、考え方が間違っているのであって、結果的に思い浮かんだ中の1つ「温遇」に関しては、「良い待遇」の意味で使うこと自体は、間違っていないと思っています。
※「温遇」がOKで、「暑遇・暖遇・熱遇」などがNGな理由について別記事で解説しています。
別記事リンク→https://onbin.hateblo.jp/entry/tng_yuuguu_onnguu
優遇のように「温遇→良い待遇」と捉えてもいいが、「暑遇・暖遇・熱遇」はNG【日本語・未立項の「◯遇」】
▼オマケ
▽漢字「優」の「やさしい」ではない意味
漢字「優」は意味を多く含んでいます。
※出典:漢字ペディア※20250821確認時。
【「優秀」要素を持つ意味】
「上品で美しい・すぐれている・まさっている・優暢(ユウチョウ)・評価の序列の第一」【「和らぎ」要素を持つ意味】
「ゆるやかである・ぐずぐずする・やわらぐ・調和する」【「特殊な」要素を持つ意味】
「役者・わざおぎ」
※「優暢」は日本語辞書では未立項。「優暢」をG翻訳で中国語→日本語に翻訳したら、「素晴らしい」となった。
※わざおぎ=滑稽な動作をして舞い歌い、神や人を楽しませることもの(人)。 滑稽な事柄。冗談。
▽世界初の記事!?
「温遇・暑遇・暖遇・熱遇」を「冷遇」の対義語として使用している記事や投稿の有無を調べてみました。
※解説しているかどうかは問わない。
【温遇】使用が見られる
【暑遇】使用が見られる
【暖遇】使用が見られる
【熱遇】使用が見られる
20250821検索時
いずれも使用が見られました。中には、 『「冷遇」の対義語は「温遇・暑遇・暖遇・熱遇」ではないのか?』という疑問視の投稿も見られます。
なんで優遇の逆は冷遇なんだろうね、暖遇(だんぐう)とか厳遇(げんぐう)ならまだしも
— 一粒万太郎 (@kt03631345) 2025年2月19日
https://x.com/kt03631345/status/1892208797290000716 WA *1
塩対応の反対はなんだろう。そういや、冷遇の反対は暑遇じゃないな。厚遇の反対は薄遇でもないな。塩の反対は砂糖ってのも違和感あるな。
— ambasad (@ambasad) 2013年10月9日
https://x.com/ambasad/status/388078734047051778
*2
2013年という、SNSが浸透する過程の頃で、「冷遇の対義語って暑遇じゃないのか」という疑問を持つ投稿が見つかりました。
こういった疑問視は、SNS投稿にのみ見られ、ネット記事で見られませんでした。
この記事の執筆時点(20250821)で、Google検索したところ、「冷遇の対義語」について「深く」言及している記事は見当たりませんでした。
冷遇を使った文の中に「暑遇・熱遇・暖遇・温遇」を混ぜた文なら見かけましたが、そのように言葉遊び的に何気なく使っているだけです。実際に「なぜ、暑遇・熱遇・暖遇・温遇じゃないのか」というの説明している記事などは見かけませんでした。
ということで、和語の里が世界初を名乗らせてもらいます。
- ▼無意識に冷遇の対義語として「優遇」を使用
- ▼そもそも「冷遇」とは?
- ▼「冷遇」の対義語
- ▼冷遇の対義語を「温遇・暑遇・暖遇・熱遇」と考えてしまうわけ
- ▼不統一に見えて不統一ではなかった
- ▼おわりに
- ▼オマケ
【記事編集用Link】
https://blog.hatena.ne.jp/peaceheart/onbin.hateblo.jp/edit?entry=6802418398554549915
【KEYWORD ZONE】
暑遇、しょぐう、処遇、諸ぐう、しよくう、私欲う、shoguu。
熱遇、ねつぐう、熱ぐう、ねっぐう、熱ぐう、ねつくう、熱空、ネツグウ、netuguu。
暖遇、だんぐう、団ぐう、たんくう、単空、ダンクウ、dannkuu、dankuu。
温遇、おんぐう、おんくう、音空、オングウ、onnguu、onguu。
冷遇、れいぐう、れいくう、霊空、レイグウ、reiguu。
非統一、ひとういつ、ひとういつ、ヒトウイツ、hitouitu、非統一性、ひとういつせい、ひとういつせい、ヒトウイツセイ、hitouitusei
不統一、ふとういつ、フトウイツ、hutouitu、不統一性、ふとういつせい、フトウイツセイ、hutouitusei
日本語の非統一性、にほんごのひとういつせい、にほんこのひとういつせい、ニホンゴノヒトウイツセイ、nihonngonohitouitusei
日本語の不統一性、にほんごのふとういつせい、にほんこのふとういつせい、ニホンゴノフトウイツセイ、nihonngonohutouitusei
割りといい加減な日本語、割りと適当な日本語、割りとテキトーな日本語、割りと雑な日本語、
わりといいかげんなにほんご、waritoiikagennnanihonngo、わりとてきとうなにほんご、waritotekitounanihonngo、わりとざつなにほんご、waritozatunanihonngo
わりといいかけんなにほんこ、わりとてきとうなにほんこ、わりとさつなにほんこ
にほんごはがばがばげんご、日本語はガバガバ言語、にほんこはかはかはけんこ、nihongohagabagabagenngo
言語なんてご都合主義、げんごなんてごつごうしゅぎ、けんこなんてこつこうしゆき、genngonanntegotugoushugi、gengonantegotugoushugi、
そのコトバが使われる理由、その言葉が使われる理由、そのことばがつかわれるりゆう、sonokotobagatukawareruriyuu。
そのコトバが選ばれる理由、その言葉が選ばれる理由、そのことばがえらばれるりゆう、sonokotobagaerabarereruriyuu。