▼複数語の固まりにおける表記のバランス
２０２０年１２月１０日に「げんきんなやつ」の表記ブレを調査したら、面白い結果が出ました。調査方法として、「やつ・ヤツ・奴」の３パターンで調査しました。
【奴】
現金な奴：約１１万件(２位の1.7倍)
ゲンキンな奴：約６万３千件
げんきんな奴：約１万件
【ヤツ】
現金なヤツ：約２８万５千件(２位の60倍)
ゲンキンなヤツ：約４千７００件
げんきんなヤツ：約４千件
【やつ】
現金なやつ：約６万件(２位の8.6倍)
ゲンキンなやつ：約７千件
げんきんなやつ：約６千件
この結果からわかるのが、末尾が「やつ・ヤツ」の場合は、先頭が漢字表記の「現金」になることが圧倒的に多いのですが、末尾が漢字の「奴」の場合、先頭が「ゲンキン」になる割合が大幅に上がるということです。
「げんきんなやつ」という定型化した「複数語の固まり」の表記に関して、人は無意識のうちに表記のバランスを取っていると考えられます。また、デザイナー・広告作成者・Blogerなどは、意図的に表記のバランスを取って目にとまるようにしていると考えられます。
▼オマケ
この記事は固まりに関しての話ですが、固まりではなく「後ろに続く言葉の表記」によっても、前の表記が変わります。例として、「先ほど説明しました～」という文・話をあげます。この形は何かを説明してるときによく見ますよね。これも
【後ろが〝漢字〟】
20210421
"先ほど説明"約 1,980,000 件
"先程説明"・__約 299,000 件
"さきほど説明"約 74,900 件
"先程せつめい"3 件
【後ろが〝ひらがな〟】
20210421
"先ほどは"約 1,990,000 件
"先程は"・約 1,250,000 件
"さきほどは"約 159,000 件
後ろが〝漢字〟の「説明」である場合、ひらがな続きにならないため「先ほど」が圧倒的な使用率で、2位「先程」の7倍ほどあります。
後ろが〝ひらがな〟の「は」である場合、ひらがな続きになる「先ほど」は減り、2位「先程」の1．6倍ほどしかありません。
20210421
"先ほどお会い"約 219,000 件
"先程お会い"・_約 35,900 件
"さきほどお会い"約 2,070 件
"先程御会い"・・・約 46 件
"先ほど御会い"2件
"さきほど御会い"0件
