▼「名一杯」という不思議な文字列
ネット上で下のようなTweetを見つけました。
名一杯歌ってきました。また、さらに家でも復習します。
— ケルト (@smQjak7vUHhtDdZ) 2022年12月4日
https://twitter.com/smQjak7vUHhtDdZ/status/1599308744957263874
今年の冬は1人紅茶を名一杯楽しむぞー!
— 睦月 (@mototutuki) 2022年11月13日
https://twitter.com/mototutuki/status/1591805214021279744
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文脈から察するに意味としては「めいっぱい(目一杯)」と言い表そうとしていたのでしょう。
それを誤字で「名一杯」と書いてしまっています。
【原因】
原因としては、「めいいっぱい」と入力した際の第一変換候補が「めいいっぱい」で、それを漢字にしようとした人が第二変換候補の「名一杯」を選んでしまっているためでしょう。
※これは、いわゆる「クソ変換」の一種です。
▼「名一杯」は「目一杯」の誤字
さきほども書きましたが「名一杯」は「目一杯(めいっぱい)」のことでしょう。
※文脈から察せられる。
【誤字】
・名一杯歌ってきました
・名一杯楽しむ
↓
【正しくは】
・目一杯歌ってきました
・目一杯楽しむ
(・めいっぱい歌ってきました)
(・めいっぱい楽しむ)
▼「目一杯」って何?
▽「目一杯」の用法
「目一杯」とは「限度いっぱい」のような意味で使われます。
▽先程の2つの文のニュアンス
【目一杯歌ってきました】
・限界まで歌ってきました
・満足するまで歌ってきました
※意味というよりは、伝えたいことです。
【目一杯楽しむ】
・自分の楽しむの限度まで楽しむ(要は満足するまで楽しむ)
・楽しめるだけ楽しむ
※意味というよりは、伝えたいことです。
デジタル大辞泉「めいっぱい【目一杯】」では「限度いっぱいであること。また、そのさま。」とありますが、娯楽として使う際には「満足するまで」などのニュアンスが含めて使う人が多いです。
▽「目一杯」の由来は? なぜ、この漢字?
🤔「そもそもなんで、"目(め)"+"一杯(いっぱい)"なの?」
😀「まず、目は"目盛り"を指しています。」
🤔「ほお…」
😀「デジタル大辞泉によれば、"ハカリの目盛りいっぱいであること"の意味を持つそうです。」
🤔「じゃあ、"限度いっぱい"の意味も間違い?」
😀「デジタル大辞泉によれば、そちらは転じた意味だそうです。転じて慣用化されているので間違いとは言えませんね。」
🤔「"ハカリの目盛りいっぱい"だから、限界とか限度であるということか〜」
😀「転じた意味である"限度いっぱい"の意味で使うほうが多くなってますよね。」
🤔「じゃあ、"名一杯"は、語源としても転じた意味としても関係ないのね。」
😀「そうですね。完全な誤字です(笑)。」
▽「目一杯」なので読みに関して言えば「めいいっぱい」ではなく「めいっぱい」
漢字を見れば、「めいいっぱい」と読まないことは分かりますね。
しかし、それは「あくまでも読み」であり、「発音」ではありません。
つまり、発音に関しては「めいいっぱい」でも問題ありません。
さらに言えば、日本語はコトバのナマリを別表記で表記して、同義語として別見出しに辞書に収録されることも多い言語です。
そのため、「めいいっぱい」という発音だけでなく、文字としての「めいいっぱい」という表記も、「絶対に間違いだ!」とは言えません。
▽発音ナマリが許容されていて、どちらも使われる例
たとえば
・さびしい
・さみしい
どちらも聞いたことがあると思います。
これは、元の音が「さびしい」とされています。出典:デジタル大辞泉(小学館)。
とはいえ、「元の音"さびしい"しか認めない!」だとか、「"さみしい"と書いたら間違いだ!」とか、そんな意見はありませんよね。
もちろん、長く使われてきたから「さみしい」も認められたというのもあります。
では、その理論で言うと、おそらく「めいっぱい」が、初めて使われだした時期も、ナマリで「めいいっぱい」と発音していた人はいたはずです。
日本語とは、ナマリも別語として認めてしまう言語なのです。
そんな言語を使っている人間が「めいいっぱい」を間違い扱いするのは、おかしい話ですね。
▼おわりに「漢字表記するな」
▽文字としての「名一杯」は論外
😓「分からないなら無理して漢字表記するなよ…」
という考えを持った人もいたでしょうし、ワタシも そういう考えです。
ヒラガナ表記「めいいっぱい」であれば、発音・表記のナマリとして許容範囲。
しかし、文字としての漢字表記の誤字「名一杯」はいけません。
▽「名一杯」は表記は罪か?
現時点で、この表記が「目一杯・めいっぱい・めいいっぱい」の表記数より多くなってしまっているということはありません。
その場合は、コトバが誤字に汚染されているほどではありませんし、流行っていることもありません。
とはいえ、こういったものは何かのキッカケで誤字が流行して表記数が「目一杯・めいっぱい・めいいっぱい」よりも多くなる可能性も秘めています。
そのため、「名一杯」という表記が増えないように、みんなで抑制しましょう。
▽現在の「名一杯」の誤字率
Yahoo!リアルタイム検索30日分@20221204~06の調査では、「目一杯」34168件+「めいっぱい」28833件の合計が「63001」件です。
それに対し「名一杯」は128件なので、現時点で多いワケではありません。
▼参考
【出典文】
雑俳・削かけ(1713)「さいて見や・とんと貴様が目一ぱい」
歌舞伎・謎帯一寸徳兵衛(1811)序幕「浮牡丹と申す香炉、性来は身が請合ひどうぞ目一杯(メいっパイ)頼みます」
【辞書情報】
デジタル大辞泉「めいっぱい【目一杯】」
[名・形動]秤はかりの目盛りいっぱいであること。転じて、限度いっぱいであること。また、そのさま。副詞的にも用いる。「目一杯まで詰め込む」「目一杯な(の)サービス」「目一杯がんばる」
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kw めいっぱい、めいつはい、メイツ杯、メイッパイ、meippai、目いっぱい、め一杯、目一杯、
めいいっぱい、めいいつはい、迷一杯、メイイツハイ、メイイッパイ、meiippai、名一杯、名一ぱい
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