🦊こんにちは♪
人生を豊かにする考え方の本って読んだことありますか? その手の本の中には、「仏教の考え」をもとに語られている部分が結構あります。
そして、私はその手の本を読んで、「いい考えだ。」「取り入れよう。」と肯定的に思うことも多いです。
しかし、気をつけてほしいのが、こういった考えは、「人生を豊かにするためのものであって、人に考えを強制するようなマナーとは異なる」ということです。
▼TV番組「笑われるニホン語」問題
2019年、とある番組が放送されるやいなやTwitter上で少し話題になりました。その番組とは「あなたの日本語大丈夫?笑われるニホン語」です。
※以下「笑われるニホン語」または「笑われる日本語」
▽葬式マナーに関する問題
番組内で、「喪主から参列者への挨拶」に関する問題が出題されて、その番組内での正解(o)・不正解(x)は下のように放送されました。
x本日はお忙しい中 父のためにありがとうごさいます
oご多用の中、父のためにありがとうございます
上の正解・不正解、みなさんはどう思うでしょうか? ちなみに、不正解の理由説明は、「忙」の中には「亡」が含まれるため、「忙しい・多忙」は忌み言葉だからだそうです。
▽実際にその挨拶を聞いてどう感じる?
自分が参列者として、喪主の挨拶で不正解のような挨拶をされても、不快に感じないハズです。むしろ、「本日はお忙しい中 父のためにありがとうごさいます。」という挨拶を不快と感じた人は精神を病んでいると思います。精神科を受診をオススメします。
▽「亡」が入ることがNGなら、他にもNG多発
この「亡」が含まれるため忌み言葉という理論が成立して、それを盾にNGとするならば、日本はとんでもなく生きづらいNGだらけの国になってしまいます。
「お忙しい」「ご多忙」は「亡」を含むので忌みことばだという主張を目にしました。不勉強でそんな話は聞いたことがない。最近のトンデモマナーの類ではないかと疑っています。「お忙しい」がだめなら「望み」「忘れました」もだめだし、「荒井」さんは出禁になっちゃう。言い出した人は誰でしょうか。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2019年9月19日
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1174686618873151489
坊主頭は主(あるじ)が入っている。上から目線なのでよくない。
— 名前はまだない@来るもの拒まず (@namae_madanai) 2019年9月19日
幸せは「し」の音が入っている。これは「死」を連想するのでよくない。
もてなしにシチューなどもってのほか。これは「死中」を連想します。
同様の理由で家からも支柱を無くしましょう。
いくらでも新たなるマナー()は作り出せますね。
https://twitter.com/namae_madanai/status/1174714516409466881
↑
これらの反論Tweetとからもあかるように、「忙」のように連想していったら、限度なくいくらでも悪い意味で連想できてしまい、言葉狩り・作法狩りが多発してしまいます。
また、私たちは漢字のペットではありません。漢字の部品でルールが決められてしまっては、「漢字を使ってるのではなく漢字に支配されている」ということになります。
▼漢字の部品だけで考えすぎる危険性
飯間浩明さんもおっしゃってましたが、「望み」「忘れました」「荒井さん」なども「亡」という漢字の部品を含みます。他にも「亡」を使う漢字はあります。
虻 慌 荒 忘 忙 望 妄 盲 網 侫 惘 氓 瀛 罔 羸 肓 芒 茫 贏 鋩 魍
この中でも、日本でよく使われる漢字としては以下のものと、それの使用例・ありがちな人名をまとめました。
▽亡を部品として含む言葉・名前
【荒】荒い・荒井さん
【忘】忘れる
【忙】繁忙期
【望】希望・望む・
【妄】妄想
【盲】盲目
【網】網膜・頼みの綱・綱吉さん
↑
まとめてみるとこんな感じです。この次に、漢字の部品を気にしすぎたがゆえに「起こりうる問題」をまとめてみます。
▽人権侵害
「荒・望・綱」の字を否定すると、
▽障害者差別
「盲」の字を否定すると、盲目な人を否定することにもなりますので、障害者差別にもなります。
▽良い場面で使ってる人の気分を害する
「忙」の字では「繁忙期」という言葉があります。人によりイヤな時期ですが、経営者目線からいったら「繁忙期」とは嬉しい時期です。つまり、肯定的な意味で使える言葉なのに、これを横から「忌み言葉だ!」なんて言ってこられたら大変です。
▽喪主による父の思い出話すら…
先にあげた「亡」を含む言葉などを用いて、喪主がしそうな父の思い出語りを並べてみます。
😀「父は〝繁忙期〟に、楽しそうに仕事をして、忙しいことは客が来る幸せな時間だと私に語っていました。」
😀「父は認知症が進んでいき、いろんなことを忘れてしまいましたが、家族の思い出は忘れていませんでした。」
😀「父の同期である、荒井さんは父のことを同期の希望と褒めてくれました。私はそれを聞き、誇れる父親であると感じました。」
↑
これらの心あたたまるエピソードすら語れません。
▼不正解と言い出したのは住職だった
今回記事にした「Createされた失礼」「トンデモマナー(とんでもないマナー)」というのが、なぜ放送されてしまったのかを見ていこうと思います。
テレビ内で「忙しい=不正解」と説明したのは誰かを検索してみました。番組サイトの出演者情報に「松島龍戒」という名がありました。その方を検索してみると「高野山真言宗功徳院住職(お坊さん)」だそうです。
あなたの日本語大丈夫?笑われるニホン語(テレビ東京、2019/9/18 18:55 OA)の番組情報ページ | テレビ東京・BSテレ東 7ch(公式)
url:https://www.tv-tokyo.co.jp/broad_tvtokyo/program/detail/201909/25599_201909181855.html
▼仏教の考えとして「忙」を語ることと、葬祭マナーは異なる
葬祭のマナーとして「忙しい」「ご多忙」を避けるという説明がなされましたが、これは、僧侶視点で葬式を見るとそうかもしれません。しかし、「一般会葬者でもそうすべき」と語ってはいけません。
番組で「忙しい」「ご多忙」を避けることについて解説していたのは、お寺の住職という〝仏教に深く関わる人〟です。その人が、「忙しい」「ご多忙」を「自分が使う言葉としては避ける」という説明なら視聴者も納得していたハズです。
それなのに、番組のテロップを見てみると、「忙しい」「ご多忙」を「不正解」という扱いにしています。つまり、それらを使うのをやめろという「強制」です。
別に僧侶・住職である「松島龍戒」さんが「仏教の考え」を広めるのは構いませんし、私も「仏教の考え」を用いた本は読みます。しかし、番組の構成上か本人の意図かは知りませんが、葬式のマナーとして伝えてしまったというのは失敗であると言わざるを得ません。
▼他の仏教関係者が語る「忙しい」
浄土真宗東本願寺派 本山 東本願寺が下のように語っています。
出典:私たちの仏教|浄土真宗東本願寺派 本山 東本願寺 No.18「さてその後は死ぬるばかりぞ」
URL:https://www.honganji.or.jp/jodoshinshu/buddhism.shtml
「世の中は 食うて稼いで 寝て起きて さてその後は 死ぬるばかりぞ」
一休禅師仕事や用事に追われて「忙しい、忙しい」と思いながらの日々も多いことでしょう。「忙」のりっしんべんは「心」を表したもの、つまり「忙しい」というのは心を亡くした状態なのです。朝起きてご飯を食べ、仕事して寝るをただただ繰り返す毎日では、あまりに悲しい人生です。
この「忙」という字の構成を「心を亡くした状態」という説明はよくなされます。これ自体が字源かどうかの話はおいといて、浄土真宗の関係者も、「朝起きてご飯を食べ、仕事して寝るをただただ繰り返す毎日では、あまりに悲しい人生」と語り、それに加えて「死ぬるばかりぞ」という一休さんの歌を「さみしい一生」と否定的な目で語ってることから、仏教内で「忙しい」というのは避けるものという考えが広まってるかもしれません。
こういった話を聞いて、😀「確か!」にと思うのは大事ですし、わたしも忙しいと焦って思考が短絡的になったり怒りっぽくなるため忙しいを避けています。
しかし、😡「〝忙しい〟だとか言うヤツは悪人!」という解釈をしてはいけません。
▼「松島龍戒」さんにとって黒歴史?
「松島龍戒」公式サイトのメディア出演情報を見てみると、「あなたの日本語大丈夫?笑われるニホン語」が書かれていません。もしかしたら、「松島龍戒」さんにとって、葬式マナーを語ったことは「黒歴史」かもしれません。
まあ、😅「まずい伝え方してしまったな。」と思っててくれた方がいいですね。
参考:http://www.tera.or.jp/archives/category/media-2
いかがでしたか?
私としては、あの番組のように、ルールとして、「この言葉は間違い」「言ってはダメ」と伝えるのは失敗 だと思います。だからといって、「亡」の話を「無意味だ」とか「悪だ」とかは言い切れません。
「松島龍戒」さんが語ってるのは「言葉遊びを用いた考え方・物事の見方・ゲン担ぎ」のようなものです。それによって「心豊か」になったりするのであれば、マメ知識的に広めればいいだけです。
それ自体を、
😀「こんな考え方も良いよね。」と広めるのは、いいんですよ。
😡「こうしなきゃダメ!」というルールにしたことが問題なのです。
また、発言者以外も気をつけるべきで、「ルール」なのか「ルールではなく1つの考え」なのかを、聞き手が判断する力を身に着けなければいけません。
今回は、「仏教の教え・考え」と「マナー」を区別することに着目した記事ですが、「そもそも〝忙しい〟は、語源的には〝亡〟を無視してよい」という記事も後で投稿したいと思います。
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失礼製造辞典 失礼作者辞典 失礼創造主辞典
まなー、マナー、mana-、Manor、まのr
まなーこうし、マナーコウシ、マナー講師、mana-kousi、Manor講師、まのr講師
【参考】
松島龍戒 Twitter Account→https://twitter.com/rk2358
松島龍戒 YouTube Ch→https://www.youtube.com/user/mayuko2358/about
亡が1つ含まれる漢字|漢字検索→https://jigen.net/data/詳細検索:亡を含む漢字?pg=1&rs=300&od=DESC&so=0&ou=000
- ▼TV番組「笑われるニホン語」問題
- ▼漢字の部品だけで考えすぎる危険性
- ▼不正解と言い出したのは住職だった
- ▼仏教の考えとして「忙」を語ることと、葬祭マナーは異なる
- ▼他の仏教関係者が語る「忙しい」
- ▼「松島龍戒」さんにとって黒歴史?
- 【参考】
- 【bou】
【bou】
「亡」を含む漢字
虻 慌 荒 忘 忙 望 妄 盲 網 侫 惘 氓 瀛 罔 羸 肓 芒 茫 贏 鋩 魍参考「Handwritten kanji search at sljfaq.org(手書き漢字認識 - sljfaq.org)」
出典『角川新字源 改訂新版』(KADOKAWA)
形声。心と、音符(バウ)とから成る。気が散って落ち着かない意を表す。