和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

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【当て字】手弱女・障害者【差別・造語】

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▼手弱女「私 弱いだけじゃないんだけど・・・」

みなさん、

[手弱女]

という言葉 および 文言を 見たことがありますか?

 

「知ってる!"たおやめ" でしょ!!なんか弱そう。」

 

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残念ながら・・・

[弱いだけ]を表す

言葉ではありません。。

 

 

▼本当は[弱]ではなく[撓]

[たおやめ(手弱女)]は[弱い]をもとに生まれた言葉ではありません。[手弱女]という表記は【当て字】されて生まれた表記です。

 

Q:では語源は?

A:もとの言葉を漢字で表すならば

[撓]という字

 

▼「撓 (たわ)」とは!?

簡単に言うと

「ヘコんだり・しなったりする」

という意味です

 

(参考:デジタル大辞泉小学館)

[形動][文][ナリ]

「たわわ※実の重さなどで木の枝などがしなうさま。」に同じ。

[名]

1 山の尾根のくぼんで低くなった所。山の鞍部 (あんぶ) 。たおり。

2 枕などに押されてついた髪の癖。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%92%93_%28%E3%81%9F%E3%82%8F%29/

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%92%93_%28%E3%81%9F%E3%82%8F%E3%82%8F%29/#jn-139514

 

ここで、考えるのは

「ヘコんだり・しなったりする」

 というのは弱いかどうかということです。

 

▼名言「柳に雪折れなし」

[柔らかい]のイメージは何でしょうか?

・よわい(弱い)?

・つよい(強い)?

 

弱いか強いかでいうと[弱い]というイメージを[柔らかい]に持っているのではないでしょうか?

 

しかし、「柳に雪折れなし」というコトワザ(諺)があり、その意味はというと

・折れにくい(しなやか)

・堅いものより持ちこたえる

 

(デジタル大辞泉小学館 参考)

柳に雪折れ無し(ヤナギニユキオレナシ)

柳の枝はよくしなうので雪の重みで折れることはない。柔らかいものは、堅いものよりかえってよく持ちこたえるというたとえ。

 

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釣り竿を想像してもらえばわかると思いますが、釣り竿は曲がります。しかしながら、魚の勢いに負けず折れにくいです。

 

そして、釣り竿のように しなりて、

[柔らかさ]を意味する言葉が

「撓(たわ)」 

 

 

▼[たおやめ]は元々「撓や女」です。

[たおやめ]は元々は

・たわやめ

・たをやめ

でした。

 

 

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▼手弱女の[たお]の元である[たわ]は彩り豊か

[たおやめ]の元である[たわ]が持つイメージは

・強さ

・弱さ

・優しさ

・しなやかさ

・美しさ

など色とりどりです。

 

「撓(たわ)」には[しなやか]の意味があり、「場合によって」柔らかさは[弱さ]も[強さ(粘り強さ)]も表現します。さらに[柔らかさ]は[優しさ]も表現します。[たわ]とは[しなやかな]という意味[しなやかな女性]を[美しい女性]と指すこともあるので[たわ=美しさ]のイメージも持ちます。

 

 

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▼[たわ]の持つ彩りを消す

せっかく[たおやめ]に含まれる意味に

・強さ

・弱さ

・優しさ

・しなやかさ

・美しさ

など色とりどりなイメージが備わっているのに

 

[手弱女]という当て字をしてしまうと

 

f:id:peaceheart:20200926233457p:plain[弱さ]

のイメージしか表現できなくなります。

 

 

これが、当て字によるイメージの書き換えです。

当て字は[使い方を間違えると]、和語の可能性を潰す危険性の高いスベになります。

 

そして、このように[偏見・差別など促す印象操作]することは世界的に問題になっています。そのように[偏見・差別など促す印象操作]を 減らしていこうという動きが「ポリコレ」と呼ばれているものです。

 

 

 

▼[手弱女]意味の移り変わり

古語辞典では[弱さ]を表す意味が収録されていないことがあります。

逆に

現代の辞典では[弱さ]を表す意味が収録されているのが普通です。

大辞林のみ[弱さ]のみを強調する意味は載せてない。

         ↑

このことから、年月が経るに連れて

[ただの弱々しい女性]という意味で

使う人が増えてしまったと考えられます。

※原因は[当て字]

 

 

▼日本語は印象操作がしやすい

[日本語は印象操作がしやすい]

私は そう言い切れます。

 

▼印象操作がしやすいワケ

漢字の存在 

・漢字を用いて当て字

・変えたいイメージの字を当てる

 

先程の[手弱女]もそうですが、「しょうがいしゃ」の漢字表記も印象操作が疑われています。

 

 

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▼「障害者」元は『障碍者

[障害者]の表記を改めようという動きから、

障碍者

障がい者

・しょうがい者

などで表記しているのを目にすることが多くなりました。

 

では、

「障害者」と『障碍者』どちらが当て字でしょうか?

 

 

 

[障害者]が当て字でした。

 

 

 

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▼[障害者]と[障碍者]の違い

[障害者]と[障碍者]は

辞書上 意味は同じです。

 

では違うものと言ったら何か?

 

イメージです。

 

そして、

イメージを操作するのが漢字です。

 

 

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▼[害]と[碍]の違いがイメージの違い

[碍]=

・さまたげる

・進行を邪魔して止める

 

[害]=

・生命を途中で断つ

・そこなう

・傷つける

・災い

・邪魔をする

 

 

(参考:大辞泉小学館[がい-碍])

[音]ガイ(漢) ゲ(呉) [訓]さまたげる

進行を邪魔して止める。「碍子」

[補説]もと「礙」の俗字。

 

(参考:大辞泉小学館[がい-害])

[音]ガイ(呉) [訓]そこなう

[学習漢字]4年

1 生命を途中で断つ。そこなう。傷つける。「害意/加害・危害・殺害・自害・傷害・侵害・迫害」

2 順調な生存の妨げになるもの。災い。「害悪・害虫・害毒/公害・災害・惨害・実害・水害・損害・被害・弊害・無害・有害・利害・冷害」

3 邪魔をする。「障害・阻害・妨害・要害」

 

 

 

▼なぜ[障害者]が問題視!?

・[害]という字には[悪い影響]という意味もある。

障害者が足を引っ張り[悪い影響]という意識を強める。

・もとは別な字だったのに マイナスイメージの強い字に変えた。

        ↑

これらが[障害者]表記の主な問題点といえましょう。

あくまで、表記の話なので私からしたら表記だけでなく音ごと変えるべきと思います。※つまり、漢字を変えることだけで解決すべきでは ありません。

 

 

▼[障害者]という字面から

[障害者]という[字面]だけを見て想定できる人物像

A:障害を持つ者

B:障害を与える者

C:誰かの障害となる者

        ↑

この中で 全人類がAの人物像として、捉えてくれれば問題ないのですが そうはいきません。また、「考えた末の脳の処理」と「見聞きした瞬間の脳に刷り込むイメージ」は異なります。

 

 

 

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▼音ごと変える

障害者→補助要

 

障害者→障碍持ち

 

障害者→障碍持ち

 

 

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▼「キレイゴト言うな[障害]を持ってることには変わらないだろ!」という人はヤベエヤツ

仮に その身体障害を持つ人がいることによって、[支えるために手間かかる]というのを[悪い影響]として考えたとしても、[障害]という表記は私は良くないと思います。

 

Q「なぜ[障害]は良くない?」

A「追い打ちをかけるだけです。」

 

 

▼[障害]という表記は弱者への追い打ち

実際がどうであれ、[しょうがい者]本人が「気にしない」と言うのがどうであれ、文字上で[この人たちは「害」がある!]というイメージを漢字によってつけることは良くないことです。本人がどう思うかだけでなく、しょうがい者を健常者がどう思うかも大事だからです。

 

そして、先程 説きましたように

もともとは[害]という字ではなかったのです。

 

そこには印象操作があります

・敢えて[害]にした

・無理して[害]にした

・意図的に[害]にした

 

 

わざわざ[害者]という字を使って、

弱者へ追い打ちかけることの方が[害]です。

 

 

出典:精神薄弱の用語の整理のための関係法律の一部を改正する法律

第一条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  第二百五十二条の十九第一項第五号の三中「精神薄弱者」を「知的障害者」に改める。

  別表第一第十八号の二中「精神薄弱者福祉法」を「知的障害者福祉法」に、「精神薄弱者更生相談所」を「知的障害者更生相談所」に、「精神薄弱者」を「知的障害者」に、「精神薄弱者援護施設」を「知的障害者援護施設」に改める。

 

第一条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

   

  第二百五十二条の十九第一項第五号の三中「精神薄弱者」を「知的障害者」に改める。

   

  別表第一第十八号の二中「精神薄弱者福祉法」を「知的障害者福祉法」に、「精神薄弱者更生相談所」を「知的障害者更生相談所」に、「精神薄弱者」を「知的障害者」に、「精神薄弱者援護施設」を「知的障害者援護施設」に改める。

 

 

 

 

 

▼当て字ではなく造語による印象操作

[貧乏ゆすり]という表現も 印象操作が 行われている言葉です。これについては前記事で説明しました。

医学界では[体を揺する]動き、つまり[貧乏ゆすり]と言われている動きは[健康に良い]ということもあり 、「健康ゆすり」で呼ぶべきという声が出ています。

 

[当て字・造語]の過程における、印象操作の意図は恐ろしいものです。かりに印象操作するつもりがなくても、結果的に[当て字・造語]によって悪い印象になってしまったら、別なものを作るべきだと思います。

 

 

 

▼余談

「たおやめ」と似ている響きの言葉に「たおやか」という言葉があります。この「たおやか」という言葉の漢字も女偏に[弱]がつく「」という漢字が当て字されています。

【嫋やか(読み)たおやか】

(三省堂 大辞林 第三版 参考)

( 形動 ) [文] ナリ 
〔「たお」は「たわむ(撓)」の「たわ」と同源〕
姿・形・動作がしなやかでやさしいさま。たわやか。 「 -な乙女」 「 -な山の峰々」 「 -な舞の手振り」
[派生] -さ ( 名 )

【嫋】漢字ペディア 参照

①たおやか。しなやかで美しいさま。「嫋(ジョウダ)」 ②そよぐさま。風にゆらぐさま。

 [嫋]自体に[弱い]という意味はないのですが、漢字の見た目のイメージで「嫋やかな女性(たおやかなじょせい)」という文言を見たら弱々しいと感じる人も多いのではないでしょうか?

 実際は、弱いという意味合いはありません。美しさ・ゆらぐ様を表す 良い言葉です。このように漢字とは 使う言葉なのに 日本人を洗脳する力も持っています。それを悪用する人も世の中にはいるので気をつけましょう!

 

 

 

 

 

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