和語の里(Wagonosato) - 日本語・データ化・考察 -

やまとことば・和語・日本語に関する情報をデータ化・日本語の問題点解説。語彙力・難読漢字クイズなどによる教養アオリの否定など。

【定義力】”英語論文で避けるべき表現”から定義を考える 1

 

f:id:peaceheart:20201115054541p:plain

こんにちは♪

よく、議論の中で「この人 アイマイな表現ばかりだなあ…」とか「この人、ゴマカシ を していないか?」など思うことがないでしょうか?

 

そういったものに惑わされずに「本質を聞き出したり」、反対に自分が「曖昧な表現・

ゴマカシ」を しないように、何を気をつければいいかの記事です。

 

▼英語論文では常識!?

f:id:peaceheart:20201111050601j:plain

[曖昧な表現] に関してヒントは、何と!「英語論文のマニュアル」にありました!

 

引用:英語論文でやってはいけないこと・避けるべき表現 @ワードバイス

意味範囲が曖昧な単語や、包括的で安易に一般化してしまう単語は使わない。例えば、all, always, must, never, everyのような単語は、それを立証できない限り使用を避ける。同じく、amazing, outstanding, incredibleのような感覚的で非学術的な単語も使用しない。このような表現の使用は論文への信頼性に影響を与えるとともに、読者の解釈に混乱を招くことがあるため。

 

▼使うときに注意しべき言葉

f:id:peaceheart:20201112121803j:plain

【all】すべて

【always】常に

【must】しなければならない、

【never】決して〜ない、

【every】すべて

【amazing】すごい・すばらしい

【outstanding】突き抜けた

【incredible】驚くほど

         ↑

これらは「属性すべてをひっくるめる危険性」がある単語です。

 

[all, always, must, never, every]

が例に出されてましたが、

これらを使ってしまうと

[決めつけの文ができてしまう]

 

 

そもそも、

population(ぼしゅうだん)が多い

のに、そのall(すべて)を断定する

というのは多くのデータが必要。

 

 

しかし、個人の解釈で 

・男はガサツだからxxxできない

・女は仕事能力が低い

     ↑

このような表現をしてしまうと、

巨大なpopulationを(意思問わず)

勝手に定義してしまいます。

 

 

▼勝手に定義・決めつけ・断定

f:id:peaceheart:20201113192846p:plain

Q:[勝手に定義]ってなに?

A:ある物事に関して、[しっかり裏付けが取れていない] にも関わらず、「これはこうだ!」「こうあるべきだ!」などの決めつけをしていることです。

 

ただし、

・悪意を持って [勝手に定義]

・無意識 に [勝手に定義]

の2つは異なります。

 

 

▼無意識で定義はなぜ起こる?

 f:id:peaceheart:20201115060751j:plain

無意識で定義しがち…

 

そのワケとして考えられるのは下の要因です。

・語彙力がない

・定義言葉を知らない

 

 

 

 

 

 

Q:語彙力との関係性は?

A:しっかりと言葉を知っていて、

意味の定義をデキる人は言い方が

以下のようになります。

     ↓

・男はガサツな人が多いよね

・私が接した男のすべてがガサツだった

脳科学で男はガサツになりやすい

 

 

しかし、

ズボラだったり定義言葉の効能を

知らないと以下のようになる。

    ↓

・男はガサツだからxxxできない

 

 

 

 

<定義しがちな 言い方>

ーーーーーーーーーーーーーーー

A:漢字を指摘する人の定義表現

B:言葉遣いの説明の定義表現

C:習わしの説明の定義表現

 

 

ABCの一つ一つ解説します。

 

A:漢字を指摘する人の定義表現

これは、

ネットの説明でよく見るアレです。

 

[xxは漢字でoo書きます。]

 

これの何がいけないかと言うと、

・ルール上、その漢字で書かなきゃ

いけないわけでもない。

 

・表外読み・当て字でも構わず

こう書くよって言ってしまってる。

 

このような説明が多すぎます。

ルール外のことを、

あたかも日本国民が守るべきこと

のように書いてるのです。

 

 

もちろん説明してる本人が、

そんなつもりがなくても、

[定義言葉になってしまってる]

ことはよくあります。

 

 

 

話し手が[定義付け・ルール化]を

しないように表現を変えた例を

出してみます。

 

元の表現

[xxは漢字でoo書きます。]

 

定義付けを避ける表現

[xxは漢字でooと書くこともあります。]

[xxは漢字でooと書く人がいますが、当て字であり正式なものではありません。]

[xxは漢字で書くとするとooと書く。]

   ↑

何となく分かっていただけましたか?

 

 

 

B・Cについては

また別の記事で説明するつもりです。

 

 

【あとがき・補足】

・・・・・・・・・・・・・・

勝手に定義付けをしてしまう人の

心理が気になるこのごろ。

特に当て字をあたかも正式なもの

と指摘する人は、どんな心理か。

 

勝手な想像で定義ではないのですが、

・覚えたての当て字を教えたがる人

・勝手な定義の当て字で当て字を

覚えてしまったから正式と思いこむ

漢語アゲアゲ思想をこじらせて

何でも漢字が正しいと考えてる

   ↑

とか、いろいろ考えられますが、

これも想像に過ぎません。

 

 

言語科学者の誰か調査してくれないかな〜?

 

 

 

 

あとがき

f:id:peaceheart:20201110092530j:plain

なぜ、日本語を取り扱うブログで「定義の記事」を書いているかというと…

 

ネット上で見られる「言い方・表現方法 を 危険視」しているからです。何が危険かというと…

 

日本語の「正しい正しくないの定義」を [ネット上の記事・SNSでの発信者] が「勝手に定義」しがちだからです。

 

 

 

ここからは話が少し変わります。

 ↓↓↓

▼日本語の定義言葉[らしい]

f:id:peaceheart:20201115061608p:plain

日本語で定義してしまう言葉で、使う側が意図せず定義してしまうこともあります。

 

その代表格が

「らしい」

 

「らしい」と聞くと [弱めの言葉]に聞こえますが・・・

 

「らしい」は [誰かが言ってたことを断定]する言葉になりがちです。

 

 

▼別物です→[らしい・かもしれないらしい]

f:id:peaceheart:20201023203726j:plain

情報源のAさんが言いました

 

A「XはYの可能性がある」

A「XはYかもしれない」

 

 

では、この2つのような話し方の情報源を聞いた、Bさんは 人に このコトを伝える場合、どのように話すと考えられますか。

 

 

 

 

 

f:id:peaceheart:20200212000313j:plain

B「ねえ、知ってる?XはYらしいよ!」

        ↑

これを聞いて考えられることは…

A「XはYの可能性がある」

A「XはYかもしれない」

振り返ってみると、Aさんは[可能性の話をしただけ]なのに、Aさんが あたかも「X=Yだ!」「Xは研究からYと分かった!」などといっているように聞こえてしまう。

 

 

 

では、Bさんの言葉を聞いた人は どう思いますか?

 

「XはYなんだ!(X=Y)」

「Aさんが言ってたし、きっとXはYなんだろう。」

 

らしい(らし)」には

 

伝聞や推量に基づく婉曲(えんきょく)な断定の意を表す。「冬山というのは非常に危険らしい」「隣の子はよく勉強するらしい」

(出典:デジタル大辞泉小学館)

 [聞いた情報を伝える時]とは「伝聞」ですね、そのような時は[断定]を含む意味も持ち合わせています。

 

つまり、

聞き手には[断定]として[X=Y]と聞こえてしまいます。

 

 

【補足:推定の[らし]じゃないの?】 

きっと…しているだろう。

(学研全訳古語辞典 出典)

のような[推定]の意味もありますが、これは[聞いた情報を伝える時]に使うのではなく、[自らが推定した時]に使う例が上がっています。今回のBさんは自らの推定ではないので当てはまりません。